■「今日のことば」カレンダー 2022年9月■
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2022-09-30 |
矛盾というものは人の専売特許です。 人というのはそもそも 矛盾のかたまりのような存在です。 嘘をつくなと子どもに教える親は 毎日のように便宜的な ちょっとした嘘をついているはずです。 差別はいけないと思っても人によって 接し方はどうしても変わってしまいます。 このように矛盾が生じるのは、 人が言葉を使う生き物だからです。 言葉という観念と実際の行動は いつもズレがあるものなのです。 「こうするのがいい」 「こうすることが正しいんだ」と思っても、 その通りにできないのが人間です。 自分の場合だとそうしたズレがあっても 無意識のうちにごまかすことができますが、 他人にそうしたものを見つけると、 許しがたく思えたりするわけです。 そこから怒りや葛藤といった悩みが 生まれるわけです。 「清濁併せ呑む」という言葉は、 矛盾をまずは認めようということを 言い表しているのだと思います。 つまり、清濁併せ呑むような器の大きな人は 矛盾を矛盾として矛盾なく受け入れられる 能力があり、矛盾は否定されないのです。 |
2022-09-27 |
気分というのはいつも変わるものです。 元気でハツラツとしている時、 安らいでリラックスしている時、 ブルーに沈んでいる時、さまざまです。 その日、その日でひとつの気分だけに 支配されるのではなく、1日の中で めまぐるしく変わったりもします。 朝起きた時は、ブルーな気分だったのが、 夕方には前向きで明るい気持ちに なっていることもあります。 まさに天気と同じです。 そこで大事なのは、 その時、その時の自分の気分を自覚して、 なるべくその気分に同調するように することです。 気分からかけ離れた行動をとったり、 気分に同調しない環境に身を置いたりすると、 心の中で違和感を覚えます。 たとえば「今日はなんか調子がよくないな」 と感じる日があったとします。 そんな時に、無理に元気に振る舞えば、 どこか空回りしたり、周囲から妙に浮いたりして かえってしんどくなります。(略) このように気分の状態と 回りの雰囲気がかけ離れている時、 人はその落差に不安や焦りを感じて、 情緒が不安定になる傾向にあります。 |
2022-09-22 |
私自身も患者を見ながら、そして 自分のことを振り返る中で、ふと、 教えられたことがあります。 それは、 「自分がきらい」を卒業しても、必ずしも 「自分が大好き」にならなくてもいい ということです。どうやら、 「そんなことはどうでもいいことに思える」 ことの方が、じっと自然でムリのない状態で あるらしいということなのです。 自分のまわりの人が好きになり、 その人たちと愛し合い、支え合うことができ、 自分自身、ワクワクした毎日や、 生き甲斐のある人生を見つけられたならば、 気づいたときには、 「そんな自分を好きになってもいいかなあ」 という感情も自然に湧いていることでしょう。 |
2022-09-19 |
本来は、「好きか、嫌いか」 「魅力を感じるか、そうでもないか?」 「やりがいがあるか、つまらないか?」 といった価値感で選んでこそ、人生は、 充実するし、仕事にしろ、結婚にしろ、 長続きするといものですよね。 でも、実はこの「好き探し」が うまくいかなくて、悩んでいる人も 多いようです。その結果、 「これが有利だ」と教えられたものを 「好きだ」と勘違いする人も多いのだとか。 たとえば、 「君の成績なら、医学部にきっと受かるよ。 お医者さんなら儲かるし、女性にモテるよ」 と言われた優等生は、 「自分は医療が好きだ」と思い込みます。 けれど、医者になってみると、病院では 目が回るほど忙しいし、夜勤もイヤだと言って、 同じ医療の場でもできるだけラクなところを 求める人が多いのが現実です。 同じように、 「この学校、この会社に入ったら損だ得だ」 という価値判断が、将来、結果的に人生を つまらなくしている場合も少なくないのです。 |
2022-09-14 |
「なんだか使いにくいな」という 日常の気づきを大事にしています。 もやもやを放っておかないで、 自分の感覚に忠実に。 いったん立ち止まって、今まで 「当たり前」と思っていた片づけ方や 家事のやり方、使っている道具を 見直してみます。(略) 家の中のことは、自分と家族の 「使いやすさ」「心地よさ」を第一優先。 常識にとらわれすぎず自由な発想で、 ちょっと工夫してみる、 ちょっと変えてみる。 そうして暮らしがちょっと快適になる (ちょっとうれしくなる)。 この「ちょっと」の進歩を、 いくつも積み重ねていきたいです。 日々の小さなストレスや違和感は、 もしかしたら心地よい暮らしにもっと 近づいていけるチャンスなのかもしれません。 妥協しないで見逃さないで、よりよい方法を 探していけたらいいなと思います。 |
2022-09-12 |
「嫌いなものは子供が食べてくれないので、 作らないようになる」あるいは、 「子供が好きなものしか作らない」 子供の偏食が問題になっているということを テレビで知った。子供の偏食について 取材した報道関係者の質問に、 何人もの母親がこう答えていた。 食物アレルギーがあるなら仕方ないが、 子供の偏食に母親が振り回されて どうするのか、とテレビの前で 私は大いに憤慨した。(略) それでは、我が国レベルの先進諸国で 育っている子供たちについてはどうか。 書き始める前にアメリカ人やイギリス人、 ドイツ人、ベルギー人の現地で子育てを している親友に国際電話をかけてみた。 「子供の偏食が問題になっているかしら?」 という私の問いに対して、全員が同じ 答えだった。各国の母親たちは口裏を 合わせたかのように、こういうのだった。 「子供が小さいうちは好き嫌いがあっても だんだんなくなるものよ。ただ、 子供には家庭でも学校の給食でも、 あなたのからだにいいものを 食べてもらいたいから作っていると いうことをわからせなくてはなりません」 |
2022-09-10 |
あなたのまわりの人たちを よく眺めていただきたい。 ていねいな人付き合いをしている人は、 ものも大切にしているのではないか。 反対にブランド品以外は粗雑に扱うような人は、 人に対してもブランド志向が強い。 つまり誰かと出会ったら、 相手の肩書きばかりに気をとられて、 肝心の人間性や言葉の真意を 見極めようとしないタイプに違いない。 さまざまな人たちで 世の中が成り立っているのだから、 ブランド人間だけを大切にする 人種がいてもかまわない。 お金がないといいながら、 どうでもいいものをひっきりなしに買い、 ちょっと使っては気に入らないから 捨てることが、習慣になっている人が いてもいい。 だが、そうでない私たちには、 ものと人と調和ある関係なくして、 ゆたかな生活は望めない。 |
2022-09-06 |
この人の 「金のためじゃねぇ」は徹底している。 まず、注文がたくさん来ることをきらう。 納得できる仕事しかしたくないから、 ひとりじゃ手が回らない仕事の依頼は、 迷わず断るのだという。 「おれは細かいところまで丁寧にやりたいの。 機械を使えば2時間でできる仕事を、 手で100時間かけてやりたいわけさ。 その気になりゃいまの3倍は稼げるかも しれないけど、それは、 おれの仕事じゃねぇから」(略) さらにフレデリックさんは、 気に入らない客とはさっさと縁を切る。 「一時期、古い武器の修理を していたこともあった。 でも武器コレクターの多くは、 現在の武器商人なんだってわかってきた。 武器を売って稼いだクソみたいな金で おれに仕事を頼んでくる。 そういうのはいやだから」 カラカラを笑った。 ブレない。頑固。かっこいい。 こういう職人が世界各地にひっそりと 生息してると思うと、この世は 捨てたもんじゃないという気持ちが 胸に満ちてくる。 |
2022-09-03 |
「おかしくて、いいんだ」 自分たちは、おかしい。 まともではない。 ひっくり返ったりとっくり返ったり、 かんたんにパチンコにおぼれたり、 弱くて歯がゆくて情けない。 でも、それでいいんだ。 おかしくていいんだ。 「そういってもらうと、楽だね」(略) 病気の人にもそうでない人にも、 「ほんとうに大事なこと」は何なのか。 それがそのひとことの先に こめられている。 |
2022-09-01 |
「本人が苦しい中でいろいろ考えた、 それが考えとしては、順番をつけたら 三番目か四番目だったとしても、いいねそれと。 ぼくがもうちょっといい考えを持っていたと しても、ぼくはそれをだしちゃいけないな、 と意識してやってます」 最初からいちばんいい方法を 考えつかなくていい。 先生の考えと違っていてもいい。 「いつもいちばんいい方法がでちゃうと、 口をはさむ人がいなくなるんです。 いつも迷ったり、ちょっとずつ うまくいかなっかったりする方が、 みんな頭を使う方向なんですよ」 「いろんな意見」は、「正しい意見」より はるかに大切だと先生は考えている。 |