ことば探し
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■2018年12月25日の「今日のことば」■

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「今日のことば」

PTA忘年会の二次会で次の人が歌う中、30代のお母さんが、
私の耳元で歌に負けじと、大きな声でこう言いました。
「でもさ、会長!なんだ、かんだ言っても、
 人間は死ねばゴミだよね、ゴミ。あたしはさ、そう思うわけよ」
酔っぱらい特有の〝でもさ〟で始まる会話は、
私もよくやるので気にはなりませんが、内容が気になりました。(略)

わざわざ私の隣へ移動してきたお母さんは、
昭和63年に発行された伊藤茂樹さんの「人は死ねばゴミになる」
という本を読み、人を物質として「役にたつか立たないか」と
見るその考え方に、無条件に共感したのでしょう。
私は、ビール片手にまだ一人で頷いている彼女に言いました。

「そう考えるのはあなたの自由だけど、
 もしあなたの小学校四年生のお嬢さんが、
 あと3日の命だと言われたとして、
 ベッドからあなたの顔を見上げて、
 「お母さん、私はもうすぐ死ぬのね。死んだらゴミになるのね」
 とさびしそうにつぶやいたら、
 「そうよ、ゴミなるのよ」って言えるんですか?」
私は、彼女が黙っているので、先を続けました。

「言えないなら、自分以外の人に「死んだらゴミになる」
 なんて言わない方がいいんじゃないですか」
そして、「死んだらゴミになる」ことよりもずっと確かなことを、
冗談っぽく加えました。
「死んでからのことなんか、わからんとしておいて、
 どう生きるかを考えたほうがいいですよ。
 だって、人は死ぬまでちゃんと生きているんですからね」


こう私が言うと、彼女は隣で頷きながら、
「死ぬまで生きてる…、だよねえ、そうだよね。
 人は死ぬまで生きているんだよね、うんうん」
と独り言を言いながら、再びビール片手に別の場所に移り、
「だよねえ。人ってさ、死ぬまで生きているんだよねえ」
と隣の人の耳元で、嬉しそうに叫んでいました。


出典元 人生を○洗い 読めば心が軽くなる日本一やさしい般若心経
おすすめ度 ★★★★☆  ※おすすめ度について
著者名 名取 芳彦

まゆの感想
住職の名取さんは、

「「人間死ねばゴミになる」という言葉は、
 その直前に「どうせ」という言葉が省略されているような気がします。
 そして、そこには、人生を諦めたという印象があって、
 私はあまり好きではありません。

 「だから、どう生きるか」という問いに対する答えが卑屈になったり、
 虚無的になったりしては、せっかく産んでもらった人生、
 もったいないと思うのです。
 煩わしさを嫌がり、ニヒルを気取り、卑屈になるよりも、
 死ぬまで生きる人生を、しがらみを楽しみながら、
 心を大きくして生きていきたいものです」

確かに誰かに「人間死ねばゴミになるんだから」などと、
言われたら、「え、あ、そうなの?」ととまどい、
あまりいい感じは受けませんが、でも、自分で思うなら、
「どうせ」「人間死ねばゴミになる」なら、
それはそれでスッキリするし、気楽でいいようにも思えるので、
なんだかんだ言ってないで、思い切り生きようと思います(笑)
死ぬまで、ちゃんと生きていきたいなとも。
それに、ゴミになって、地球の土の中にかえる、
それはそれで、悪くないし、幸せなような気がします。
でも、人には言いませんよ~

みなさまは、どんなふうに受け止められるでしょうか。
死生観は、生き方にも影響を与えますよね。

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