■2016年10月25日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
画家たちは、1枚の作品をインスピレーションだけで 仕上げるわけではない。 名画が生まれるには反復の努力も必要なのである。 例えば、強烈な色彩、激しいタッチで田舎の風景や人物を 描き出すフィンセント・ファン・ゴッホ。 彼の作品は、ほとばしるような感情を感じさせるが、 いつでも簡単にこのような作品を生み出していたわけではない。 彼は、題材のフィーリングをつかんだら、 いつも少なくとも3枚は描いた。3枚どころか何枚描いても 感情のこもった作品ができないこともあるが、最後になって これまでとは全然違う、いい作品が生まれることもある、 と彼はいっている。 また、アメリカ画壇で活躍した国吉康雄氏も、 何度も作品を描き直した。彼は、 「たやすく得られたものは信用できない」 と、最初に描いたものが、これしかない、と思えるできばえで あっても、わざと壊し、何度も何度も描き直した。 この作業の過程で、キャンバスに描かれた対象が凝縮され、 単純化されていき、ついに彼は、 「現実以上のなにものか」を手に入れたことを知るのだという。
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