■2016年06月17日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
松沢哲郎さんの「想像するちから」という本があります。
そのなかにレオというチンパンジーの話が出てきます。 レオはあるとき、重い感染症にかかって寝たきりになりました。 スタップがけんめいに看病しますが、動けなくて 床ずれができたりしてとても痛そうです。 ところがレオは、まったく絶望したそぶりがないのです。 「もしこれが自分だったら」と、松沢さんは言います。 「このまま生きていてもしようがない」という心境になるだろう。 「将来に対する希望も持てず、ただ絶望感にさいなまれるだけだろう」 と。ところがレオは、 いつものようにスタッフに愛嬌を振りまいているのです。 人間とチンパンジーの違いがここにあると松沢さんは気づきました。 チンパンジーは「いま、ここの世界」を超えて 想像する力に限界があります。 彼らは過去や未来のことを、あれこれ悩んだりしません。 その代わり、未来に希望をもつこともないのです。 いっぽう、人間は、 「容易に絶望してしまう。 でも、絶望するのと同じ能力、その未来を想像する という能力があるから、人間は希望を持てる」 というわけです。
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