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■2022年08月28日の「今日のことば」■

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「今日のことば」

気の持ちようが大切ということになると、
病人には「明るくしていること」が求められる。
これは、病人の周囲の人たちにとっては、
とても都合がいい。

病人は、病気になって苦しんでいるわけで、
どうしたって基本的に暗い。
それはしかたのないことだから、
周囲も責めることはできない。
しかし、内心は、そうやって
落ち込んでいる人がいると、
うっとうしく思ったりもしている。

そこに
「明るくしていた方が病気にもいい」
という見解を提示されれば、
それは、喜んでとびつくのも無理はない。
「明るくしているほうが、
 病気のためにもいいんだよ」
と、病人に明るくしていることを強制できる。
なにしろ当人のためなのだから。

そういう次第で、病人は、
病気になるという悲しい出来事のまっただ中において、
明るくしていることを求められる。
泣きたいときに、笑顔でいることを求められる。

楽しいときに泣けと言われたら、
誰だって難しいはずだ。なのに、
泣きたいときに笑うことはできると
思っている人が多い。
不思議だ。



出典元 食べることと出すこと
おすすめ度 ★★★★★  ※おすすめ度について
著者名 頭木 弘樹


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