■2022年08月24日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
今は、食べ物にそれほどの重みはない。 しかし、食べることが 受け入れることであるのは変わりはない。 相手が差し出した食べ物を、 食べないということは、 相手を拒否するということだ。 親に不満がある子どもは、親が出してくれた 食べ物を食べない。 手にのせた食べ物を動物が食べてくれたとき 人はそこに信頼を感じる。 その場の空気に溶け込めないとき、人は、 その場のものを食べる気がしなくなってくる。 「料理はいっしょに食べる人によって 味が変わってくる」と言うが、 まったくその通りで、 そのせいで食べなかったりする。 だから、食べない相手に対して、 人は苛立ちや怒りを感じる。 自分を受けれてくれない拒絶を感じるからだ。
まゆの感想
ふだん何気なく食べていて、
「食べること」について、 考えることはありませんでしたが、 食べることに、こんな意味や思いがあるんだ、 と、何かこう深く考えさせられた本でした。 著者の頭木さんは、 20歳のときに潰瘍性大腸炎を患い、 13年間闘病生活を送ったそうです。 潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に炎症が起きて、 潰瘍ができ、頻繁な下痢や腹痛、血便が続き、 食べ物もとることが困難になり、改善して 寛解しても再発する恐れもあるという難病です。 その13年間の闘病生活をへて、 現在もこの病気と向き合いながら、 「食べること」の究極について考え、 そこから学び、食べることと出すことを いろいろな角度から掘り下げてくれる本です。 この本には、小説やエッセイからの 事例が書かれているのですが、 「食べることと出すこと」の観点からの 事例なので、今までの格言などと違い、 とても面白く、発見がありました。 久しぶりに一気に読み終えた本でした。 |
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