■2020年08月03日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
恐怖はときに、人間から考えることを奪う。 現代人は、情報を手に入れると安心する。 分かったと思い込む。 だが、情報に心を領された者は、 考えることを止めてしまう。 考えるとは、情報の奥にあることを 見極めようとする営みでもあるからだ。 このことがいかに重要かは、 自分が知られる対象になったことを 想像すればすぐに分かる。 言葉を発することを赦(ゆる)されず、 噂や履歴書だけで人格まで判断されるのを、 誰も好ましいとは思わないだろう。 考えるとは、安易な答えに甘んじることなく、 揺れ動く心で、問いを生きてみることだ。 真に考えるために人は、勇気を必要とする。 考えることを奪われた人間はしばしば、 内なる勇気を見失う。 私たちは今、武力を誇示するような 勇ましさとはまったく異なる、内に秘めた 叡智の働きを呼び覚まさなくてはならない。
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