■2018年12月06日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
倒産を目の前にした人々が苦しむのは、 立ち直れない明日が怖いからだ。 倒産だけでなく、すべての挫折がそうかもしれない。 挫折して苦しいのは、もう立ち直れないという怖さなのである。 明日が怖いから、先に進めない。 宙ぶらりんで、どうしたらいいか分からないまま、 木の枝にしがみついたような状態で、みな八起会に相談にくる。 だから私は言う。 「枝にしがみつく、その手を放しましょう」 相手は、落っこちるのがイヤだ、と首を振る。 「だったら落ちてみましょう」 イヤだ、地獄へ落ちるのはイヤだと、枝にしがみついたまま。 そして、これ以上苦しむくらいなら、いっそ、 死んだ方がいいと訴える。 しかし、落ちた先は地獄ではない。 枝を放して足をついた場所。 そこにあるのはただのゼロ。 出発点である。 出発点まで落ちれば、それより下に沈むことはない。 後は上り坂を登っていくだけだ。 だから早く、その苦しい手を放してしまえば楽になる。 落ちさえすれば、先が見えてくるから安心できる。 安心するには、その手を放した方がいいのだ。
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