■2018年06月04日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
仕事ができないのに、なぜ、 政治にだけはあんなに長けている人物がいるのか… その前提にあるのは、「あんな人が」であり、 その意味で、「自分のほうがもっと能力が高いのに」という 蔑視であったり、困惑であったりしたかもしれません。 しかし、もしそうした人にそれなりの能力があったと 考えたらどうなるでしょうか。(略) じつは、仕事能力のない人がそれをわかっていて、 社内政治に打ち込んだら、一番手強いかもしれません。 そういう人は、仕事では評価される目がないのですから、 自分を守るためにそれこそ必死でおべっかを使うなど、 何でもするでしょう。 つまり、「能力がないのに」政治に走るのでなく、 「能力がないから」政治に集中しているのです。 とんでもなく偉くはなれないのなら、 会社や仕事に対する責任もないですから、 「会社をよくしよう」「がんばって業界NO1になろう」 なんて甘っちょろい考えをもっている同僚や部下よりも、 「自分を守る」ことに徹底できるはずです。 自分にはこれしかないと思いつめている分だけ、 いろいろな中傷やうわさも気にしないでしょうし、 自分を守るためなら、これまでの主張を変えることも いとわないでしょう。 そうした「必死さ」に上司がほろっときてしまうのも、 無理からぬところがあります。 そうした人をさげすんだり、軽蔑したりするのは自由ですが、 「向こうは必死である」こともまた 肝に銘じる必要があるのではないでしょうか。 「あんなやつ、たいしたことない」と思っていると、 思わぬところで足をすくわれます。
まゆの感想
「とくに能力があるわけでもないのに、権力を持つ人からかわいがれ、
仕事もしないで高い給料をもらっている人が、御社にいますか?」 などというアンケートをとってみたら、かなりの高い確率で 「イエス」という答えが返ってくる、のではないかと この本では言ってますが、いますよね、そういう人。 すくなくても、私のまわりにはいました。 (そしてそういう人に、足をすくわれた経験もあります) 「なんで上(組織)のためなら、あんなことまでできるの? あんなことして恥ずかしくないの?平気なの?誇りはないの?」 と思うような人。 (昨今ではビジネスだけでなく、改ざんやウソやこじつけを言い続け、 それでも平気(そうに見える)な官僚、政治家、 日大アメフト問題などを見ても、そう思いますが) でも、そういう人は、 こちらが思っているよりずっと必死なのかもしれません。 そして、こちらと違う哲学を持ち、その自分の哲学にそった 生き方、戦い方、仕事の仕方をしているのでしょう。 自分がどんなに恥をかいても、非難をうけても組織や上を守ることが、 自分の仕事だ、使命だ、なにかしらの力を持てる、お金が入る、 出世につながるただひとつの道だ、自分を守るためだ、と信じて、 その人なりの道を進んでいるのでしょう。 脅されたり、ゆすられての人は別にして、 これはこれで能力なのでしょうね… そういう人は、強いなぁ…と正直思います。 (本当のところはわかりませんが) 自分の尊厳を脇に置いてまで、あるいは捨ててまで、 組織や上を守ると、どんないいことがあるのか私には わかりませんが、きっとそこに何らかの いい世界や取り引きもあるのでしょう。 どんな世界や取り引きなんでしょうね。 |
|