■2018年06月01日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
玉三郎さんにも、体力に余裕があった40代の頃は、 年をとっていく自分を受け入れたくない時期があった。 だが50代に入り、体力がはっきり落ちてきたという自覚とともに、 「これはもう、受け入れざるを得ない」 という心境になっていったという。 最近は老け役を演じた際、 「おばちゃん役も板についてきたでしょ?」 と自然体で口にしている。 「悲劇的なことでもなんでもなくて、 この世に生を受けた人は皆、そうなっていくわけでしょう? 年をとった自分がどうなってしまうのかわからない ということは怖いけれど、そのこと自体は仕方ないし、 なるようにしかならないと思っています。 怖がっていても仕方がないから、やっぱり 今日、明日をやっていく。 そうすれば、自然と行くべきところに行けるかな、 という感じしかないですね」 (遠くは見ない、明日だけを見続ける 歌舞伎役者/坂東玉三郎)
まゆの感想
玉三郎さんは、そんな自分を補うために、
公演中は、気晴らしをすることもなく、 舞台が終われば、まっすぐ家に帰り、すぐに着替えて、 待機しているトレーナーから1~2時間ほど入念なケアを受け、 ストレッチをし、翌日のためにすぐに眠りにつく、 喉をいたわるため、友人との電話も控えるなど、 日常のすべては「舞台のため」という生活を続けているそうです。 そして、年齢を重ねてからは、歌舞伎役者の枠を越えて、 海外のアーティストとのコラボレーション、 中国の伝統劇の昆劇(こんげき)の女形として現地語で演じる、 和太鼓「鼓動」との共演、古い芝居小屋での公演など、 新しい表現を目指してチャレンジしているとか。 玉三郎さんの舞台は、 うまく表現できないのが残念ですが、 本当に引き込まれて見入ってしまいます。 動きが本当に美しいのです。 そして、見終わった後は、 なんともいえない、すごい感が身体に残るのです。 そんな感覚が残るのは、舞台にすべてをかけ、 舞台のために徹底的に身体をいたわっているからだと、 この本で知りました。 老いを感じると、あきらめたり、寂しさ、 情けない気持ちを感じたりしますが、老いを受け入れ、 身体をいたわっていこう、自分なりに、と思いました。 |
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