■2017年03月27日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
心臓移植を受けた男性が、何をしたいかと記者に聞かれて、 「ビールを飲んで、ナイターを観たい」と答えています。 多くの人の善意で渡米し、移植手術を成功した人が、 仕事もせずギャンブルに明け暮れ、周囲を落胆させました。 「寄付金を出したのはバカみたい!」 支援者が憤慨したのもわかります。 命が延びたことは良いことなのに、なぜか釈然としないのは、 延びた命の目的が、曖昧模糊になっているからではないでしょうか。 臓器提供者の意思の確認や、プライバシー保護、脳死の判定基準など 二次的問題ばかりが取り上げられて、それらの根底にある 「臓器移植はしてまでなぜ生きるのか」という確認が、 少しもなされてはいないようです。 つらい思いをして病魔と闘う目的は、 ただ生きることではなく、幸福になることでしょう。 「もしあの医療で命長らえることがなかったら、 この幸せにはなれなかった」 と、生命の歓喜を得てこそ、 真に医学が生かされるのではないしょうか。
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