■2015年06月23日の「今日のことば」■
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昔、ある所に、地獄と極楽の見学に出掛けた男がいました。
最初に、地獄へ行ってみると、そこはちょうど昼食の時間でした。 食卓の両側には、罪人たちがズラリと並んでいます。 「地獄のことだから、きっと粗末な食事に違いない」 と思ってテーブルの上を見ると、なんと、 山と盛られた豪華な料理が並んでいます。 それなのに罪人たちは、皆、ガリガリにやせこけています。 「おかしいぞ」と思って、よく見ると、彼らの手には 非常に長い箸が握られていました。 恐らく1メートル以上もある長い箸でした。 罪人たちは、その長い箸を必死に動かして、 ごちそうを自分の口へ入れようとしますが、とても入りません。 イライラして怒り出す者もいます。 それどころか、隣の人が箸でつまんだ料理を奪おうとして、 醜い争いが始まったのです。 次に、男は、極楽へ向かいました。 夕食の時間らしく、極楽に往生した人たちが、 食卓に仲良く座っていました。 もちろん、料理は山海の珍味です。 「極楽の人は、さすがに皆、ふくよかで、肌もつややかだな」 と思いながら、ふと箸に目をやると、 それは地獄と同じように1メートル以上もあるのです。 「一体、地獄と極楽は、どこが違うのだろうか?」 と疑問に思いながら、夕食がはじまるのをじっと見ていると、 その謎が解けました。 極楽の住人は、長い箸でごちそうを挟むと、 「どうぞ」と言って、自分の向かい側の人に食べさせ始めたのです。 にっこりほほえむ相手は、 「ありがとうございました。今度は、お返ししますよ。 あなたは、何がお好きですか?」 と、食べさせてくれるのです。 男は、 「なるほど、極楽へ往っている人は心がけが違うわい」 と言って感心したという話です。
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