■2013年08月07日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
息子が見舞うとき、彼女は言った。
「また、来てくれたんだね。無理はしなくていいよ」 「いや、そんな訳にいかないよ。母さんに僕も会いたいしさ」 「大丈夫、雅彦、私はね」 「うん?」 「幸せ、……幸せ」 「いやあ、母は幸せだって、そう言うんですよ」 「そうなんです。私たちにも言ってくださるんですよ。 そして、スタッフに気遣いをしてくださったりすることも あるんです、今忙しくない?大丈夫?って」 「幸せ」が口癖だった老婦人。 単なる口癖は、いつしか皆に伝播し、 彼女の周囲をよい方向へ導くことになった。 スタッフは疲労が消え、いつも以上に熱心に医療、 看護に当たれたし、家族には喪失するという悲しみを和らげ、 また彼女に何かしてあげたい、そのような愛を育てた。(略) もし彼女の口癖が、幸せから一本棒を引いただけの、 「辛い、……辛い」だったら、どうだったろうか。 死ぬのが即苦痛であるのならば、 彼女は「辛い」という言葉を連呼したかもしれない。 しかし、彼女が常に皆にもたらしたのは、 「辛い」の対極の、「幸せ」であった。 それは周囲を変え、そして人生を変えるのかもしれない。
【マサ】 女性 40歳 2013年08月08日08時32分
自分が恵まれているなとか幸せだなあと思った時は、口に出すようにしています。その方が脳に幸せ回路がしみつくような気がするから(^-^) |
|