■2012年02月24日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
ある歌舞伎役者は、
「言葉というものはカミソリの刃のようなものでございますね。 使い方を誤ると自分を傷つけたり、 人様を傷つけたりすることさえあるのですから」と語る。 ある人は、中学一年生のとき、音楽教師がなにげなく言った 「調子のはずれた、間の抜けた歌だね」という言葉で、 一生歌を歌わなくなった。 小さいときにいつも母親から「おまえは不器用だから」と 言われ続けて育ったある人は、大人になっても釘1本打てず、 ネジまわしも使えず、靴ひもも満足に結べない。 言葉は口の端から出たとたんに飛び散ってしまうはかないものと 思われがちだが、それがひとたび人の心の隙間に入り込むと、 そこに根を張って、人の一生を左右するほどの恐ろしい力を 発揮することがあります。 古代の人々は、言葉に霊が宿っていて、 その霊が人間に働きかけると信じていたが、 それはこの言葉の恐ろしさをよく知っていたからです。 特に小さい頃に親や先生から受ける 言葉のボディブローの破壊力は大きいものです。 私たちも、この使い方を誤らないよう、 よくよく肝に銘じておかなければなりません。
まゆの感想
例えば、歌が下手でも、不器用でも、
「調子はずれているけど、味わいがある歌い方だね、いいね」 「不器用だけどやってごらん、おまえなら必ずできるよ」 などと、言われていたら、きっと楽しく歌も歌っているだろうし、 釘も打てるし、不器用ではなくなっているかもしれない。 かける言葉、言い続ける言葉の力はとても大きいと思います。 小さなときにかけてもらった嬉しい言葉、力になる言葉は、 案外忘れず、大人になってからも力になるものだし、 逆に、言われてイヤだった言葉も覚えているものです。 どちらの言葉を多く聞いて育ってきたか… それは性格に大きく影響してくるように思います。 人を傷つける言葉を平気で言う無神経な人はいるものです。 そして、そのような言葉をいっぱい浴びてきたかもしれません。 しかしながら、いつまでも、誰かの無神経な言葉に影響されて、 振り回されて、歌わないのも、釘打ちができないのも、 傷ついてばかりいるのも悔しいものです。 大人になったのですから、自分でその言葉の壁をぶち壊し、 新しい世界を開くこともできると思います。 その力が自分にあることを信じて、亡霊のような負の言葉を、 振り払い、新しいプラスの言葉を受け入れていきましょう。 |
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