■2009年07月01日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
60歳を超えると参加したくない集まりがある。
同期会だ。会えば最初から暗い話だ。 「老人性潰瘍ができた」 「夜トイレに3回起きる」「オレは4度だ」 「つくった、つくった」と自慢話が聞こえる。 「何をつくったの?」と問えば、「お墓」という。 集まって1時間もたつと、必ず余計なことを言う者がいる。 「おーい、みんなよく聞けよ。来年全員揃うとは限らないからな」 人生の黄昏に近づいたことを確認し合っているようなものだ。 出ていて楽しい筈はない。 最近、外資系で活躍した、新将命(あたらしまさみ)さんから 「アメリカ人はとにかく明るい」と、こんな話を聞いた。 彼らは他人の同情を引くようなことはまず口にしない。 たとえば、熱っぽい顔をしているから「大丈夫か」ときく。 「あ、38.5分ある。咳もひどい」という。 日本人ならここまで言って黙る。 あとは「だから同情してくれ」という表情をする。 アメリカ人は違う。 ひと言かならず添える。 「38.5分あって咳もひどい」と言ったあと、 「それ以外は全部元気だ」と付け加える。
|
|