■2009年02月12日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
「一件の重大災害の裏には
29件のかすり傷程度の軽災害があり、 さらにその裏にはヒヤリとしたり、 ハッとした300件の体験がある」 これは失敗学では有名な法則で、 「ハイリリッヒの法則」と呼ばれる。 別名「1対29対300の法則」といわれ、 1929年にアメリカの損害保険会社のハイリリッヒ氏が、 労働災害5000件を分析して導いた経験則である。 現在の保険料率表は、この比率に近い数値を 基にしてできあがっている。 しかし、賢者であれば、5000件もの失敗事例を必要としない。 “ヒヤリハット”(ヒヤリとしたり、ハッとすること)が 2件もあれば将来を考える。 つまり、自分の一件の“ヒヤリハット”と、 他人がやったもう一件の似ている“ヒヤリハット”を 分析するだけで、将来起きるかもしれない、 一件の重大災害を予測できる。(略) 失敗して転んだ後に、 そういえば、似たような失敗を昔やったなぁと 気がつくのが人間である。 しかし、転んでからでは遅い。 転んで怪我をする前に 「アッ、これはまずいな」と気づくべきなのだ。
まゆの感想
さらに、この本では、こう言っている。
「自分の失敗をきちんと知識化、教訓化することで 失敗の再発を防ぐだけでなく、逆に失敗しないような スキルやノウハウを積み上げて、質の高い仕事を するための絶好のチャンスにすることもできる。(略) 重要なことは、失敗したことをただただ反省することではない。 また失敗した人を責めることでもない。 失敗を引き起こした仕組みやシステム、構造に着目して、 改善することである」 失敗したり、決定的にうまくいかなくなる前には、 いくつかの前触れがあり、その前触れの後ろには、 静かな積み重なってきたいくつもの体験があり、 その体験の中で、警告やイエローカードなどが 何度も何度も出されている、と違う本でも読んだことがある。 その前触れや、警告、イエローカードをどうとらえるか、 「アッ、これはまずいな」と、気がつくことができるかどうか、 そして、事前に改善していけるかどうか… 事態を収拾できるかどうか… こんなことがとても大事なのだなぁと、思う。 |
|