■2024年12月09日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
ぼくが子どもたちに作文の授業をするときには、 まず「正解はない」 「今、みんなの頭の中にあるものをなんでも書いていい」 と伝えます。 すると、多くの子どもたちがびっくりします。 これまで正解を言い当てることしか したことがなかったのでしょう、 「正解はない」と言われると本当に驚き、 「答えがないの!?」 「なんでもいいの!?」 と目を丸くします。 授業後、子どもたちからもらった手紙に 「正解はないって、こぐれ先生が言ってくれたから 自分が思っていることをたくさん書けました」 という声がありました。 この手紙を読んだとき、 大切なことに気づいてもらえたうれしさと同時に、 その大切なことを今まで伝えられて いなかったことに、大人のひとりとして 責任を感じずにはいられませんでした。
まゆの感想
木暮さんは、こうすすめています。
「学校では常に「正解」を出すことが 求められてきました。 その結果、自分の意見や考えという 正解がないものに対しても「正しい答え」を 言わなければならないと認識しているのです(略) 大人でも「正解」じゃないと恥ずかしいと思って なかなか発言できない人はたくさんいます。 「こんなことを言ったら笑われてしまうのでは?」 「もっとちゃんとまとめてから話そう」 と考えて、結局何も言えない人を数多くみてきました。 「教えたいこと」は、なんでもいい。 なんでもいいから、自分が相手に 「これ、教えたい」と思うことを、 素直に表現することだけを考えてください」 私も、子どもたちに接する機会があります。 子どもたちは、いろいろなことを 一生懸命に教えてくれようとしますが、 側にいる親御さんたちは、その発言に対して、 「そんな余計なこというんじゃないの」 「違うでしょ、それは、すいません」 などと口をはさんでくること案外多いです。 子どもたちは、それで口を閉じたり、 のびのびできずに縮こまり、 テレビゲームに戻ったりしてしまいます。 それに対して、私は、 「ここでは、好きに言っていいし好きにしていいのよ、 ただし、誰かの悪口厳禁、楽しく過ごしてね。 そして、元気出しすぎてケガしないようにね」 と、自由にさせることにしてます。 子どもたちの言うことには口をはさまず話を聞き、 行動には目を離さないように気をつけます。 すると、子どもたちは、 「また来るね」と元気に帰っていきます。 親御さんたちも「正しいこと」や「正解」 「恥ずかしいことを言ったりしないこと」 に、大いにとらわれているなあ、 大人も子どももなかなか自由にいかないような 仕組みになっているな、とも感じます。 今どきのネット社会では、間違っているような、 押し付けるような「教え」「正しいこと」や 「正解」らしきものも見受けられます。 何をどう、受け止めていいか、 どうしたらいいのか、答えがないです… |
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