■2023年07月28日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
非行少年に共通する特徴5点セット+1 これまで少年院の中で数百人の非行少年と 面接を繰り返してきました。 質や程度はさまざまですが、彼らには、 勉強が苦手、コミュニケーションが下手で 対人関係も苦手、融通がきかない、 思いつきで行動する、すぐに感情的になる、 相手のことを考えずに行動してしまう、 力加減ができない、などいくつかに 分類できる類似点があることが わかってきました。 以下はその特徴の背景にあるものを 6つに分類し、 「非行少年の特徴5点セット+1」 としてまとめたものです。 保護者の養育上の問題は別として、 彼らの特徴は、これらの組み合わせの どこかに当てはまるはずです。 ・認知機能の弱さ 見たり聞いたり想像する力が弱い ・感情統制の弱さ 感情をコントロールするのが苦手 すぐにキレる ・融通の利かなさ 何でも思いつきでやってしまう 予想外のことに弱い ・不適切な自己評価 自分の問題点がわからない 自信があり過ぎる、なさ過ぎる ・対人スキルの乏しさ 人とのコミュニケーションが苦手 +1 身体的不器用さ 力加減ができない、 身体の使い方が不器用
まゆの感想
例えば、こんなことのようです。
・認知機能の弱さ、については、 少年院の中で、 「あいつはいつも僕の顔をみてニヤニヤする」 などと訴えがあるそうですが、相手の少年は 全く何のことかわからない、という状況が 多いそうです。相手の表情をしっかりと 見ることができず、勝手に被害感を募らせ、 悪いことをしても反省できない、そうです。 ・感情統制の弱さ、については、 気持ちを言葉で表すのが苦手で、すぐ 「イライラする」と言う、暴力をふるう、 などで、自分の心の中でどんな感情がわいているのか 理解できず、ストレスがたまり、 発散方法を間違えて、事件を起こす、 ということにつながりがちだ、そうです。 ・融通の利かなさ 一般的に、何か困ったことがあれば、 いくつかの解決策、Aの方法、Bの方法、 Cの方法と考え、吟味して実行しますが、 融通がきかず、後先のことをよく考えず、 すぐにいちばん簡単なCを選び、その結果、 暴力問題になったりする、ということです。 ・不適切な自己評価 殺人事件を起こしても、自分のことが見えず、 「自分はやさしい人間だ」と思い込んでいたり 逆に「どうせ、自分なんて」と自己肯定感が 低く、すぐに被害感を募らせ、怒りに向かう、 ことがある、ということです。 ・対人スキルの乏しさ 悪い誘い、嫌なことを断れない、 助けを求めることができない、などがあり、 イジメ被害を受けがちで、それが、 加害者になることもある、ということです。 +1 身体的不器用さ 例えば、力加減ができない、 ものをよく壊す、左右がわからない、 姿勢が悪い、じっと座っていられない、 何度注意しても同じ失敗をする、などで、 これはワザとやっているのではなく、 身体的に不器用なところがあり、 発達障害、知的障害が背後にあるかも しれない、ということです。 詳細は、この本書を読んでみてください。 とても考えさせられました。 |
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