■2021年03月29日の「今日のことば」■
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![]() 「人は、老いるし、病むし、死ぬわよね。 現に私がそう」 「………」 「それを嫌だ嫌だと思っていたの。 でもね、あるときから決めたの。 それは仕方がないこと、だから、 楽しく生きようってね」 「ええ」 「そしたら、世界がまったく違って見えた。 確かに、先生方の緩和医療で私は苦痛から 大きく解放されました。 ただ、緩和にも限界がある」 「確かに…その通りです。 歩けなくなった人のつらさや、 亡くなっていく方の根源的な苦悩を 取り除くことは容易にできませんから」 「けれども、心がすべてを救う… 私はそう思うの」 「心……」 「そう、考えてみれば当たり前のことよね。 人の行く先は決まっているようなもの。 それをどのように捉えるか、それで道は、 変わってくるんじゃなくて? 私、今が一番幸せなのよ」 彼女はにっこりと笑いました。 「ほら、空も晴れてきた。 泣いても、笑っても、同じ空」
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上記は、緩和ケアドクターの大津さんと、
70代の末期がんの女性との会話です。 その女性は、緩和ケア入院後、 恐怖で暗い顔をされることもあり、 眠れない日々もあったそうです。 しかし、それでも考え続け、 自分の人生を振り返り、受け入れ、 なにかに気づき、このときから 「古い物語」の中で生きることから、 「新しい物語」を生きるように なったそうです。 「新しい物語」を生きるようになって、 症状が進んでも、決然と最期の日々を送り、 晴れやかな末期を過ごし、穏やかな顔で、 逝ったということです。 「新しい物語」を生きていく… 「新しい物語」を作っていく… うーん、なるほど、 人生は、どこから新しくなるか、 わからないのだな、と実感しました。 |
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