ことば探し
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■2021年03月05日の「今日のことば」■

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「今日のことば」

東日本大震災が起きる半年前に夫が突然、
こんなことを言ったそうだ。

「俺はもうやることをやったから、
 幸せだったし明日死んでもいい」
菅野さんは、その時のことをこう振り返る。
「急にそんなふうに言うから、私はただ、
 『何言ってんのよ』って。でも、
 『なんかそう思うんだよな。
  もう明日死んでも悔いはない』
 って返ってきたんです。
 私は、なんでそんなことを言うんだろうって、
 不思議に思っていました。
 これから楽しいことがいっぱいあるのに。
 歳を取ったら行きたいところもあるのにって」

死を迎えたら、また夫に会える。
菅野さんはそう信じている。(略)

また、震災による多すぎる「死」を
目の当たりにして、考え方が変わったという。

「数分先、数時間先の保証は何もない。
 明日何が起こるかなんて誰にもわからない。
 だから最近は、
 『先に逝ったらごめんね』
 って思うようになったし、
 実際にそう言うようになりました。
 『やりたいと思ったことはやった方がよい。
  私もやるから』って」



出典元 コロナ時代を生きるヒント
おすすめ度 ★★★★★  ※おすすめ度について
著者名 鎌田 實

まゆの感想
震災当時、菅野さんは50歳で
中学同級生だった最愛の夫を津波で亡くします。
当初は、ショックというよりまったく信じられず、
現実を受け入れられず、今でも
思い出すと悲しさが出てくるそうです。

そんな気持ちと向き合いつつ、
現在、菅野さんは、
家族に大変な思いをさせないよう死の準備をしつつ、
例えば、長年の夢だった、ウィーンに行き、
シュテファン大聖堂でモーツアルトの
「レクイエム」を歌ったきたそうです。
「行かないと後悔するから」と思い切って。

東日本大震災から早10年。
あっと言う間ですね…
その間もあちこちいろいろありで、
そして今回のコロナ禍。
否応なしに
「何が起こるかわからない」
現実を突きつけられています。
そして、世の中のあり方だけでなく、
自分の生き方も問われているようです。

私は今、死への準備をするべく
やりたいことはやってみる、
何でもチャレンジしてみる、
いらないものは捨てること、
それを実践しています。

まだまだ「明日死んでもいいように」
という境地にはほど遠いので、
そう思えるよう後悔しないよう、
できることせいいっぱいしようと
決めています。

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