■2020年09月23日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
礼儀やマナーについて敏感な人がいます。 これは、ニューヨークの地下鉄の話です。 ある駅から3人の幼い子どもを連れた 男性が乗ってきました。 子どもたちは電車の中を大声で歩き回ったり、 イスに立ち上がったり、大騒ぎをしていました。 ところが、お父さんらしき男性は疲れているのか、 子どもたちの行動に注意もしません。 隣に座っていた男性は 「彼の監督不行き届きだ。自分が言わなければ」 と思って、 「子どもたちがこれだけ騒いでいるのに、 止めないんですか。みんな迷惑していますよ。 非常識です」 とお父さんに抗議しました。 すると、お父さんがはっと顔を上げて答えました。 「すみません、気がつきませんでした。 いま気が動転していて。 妻がさっき病院で亡くなりまして、これから 家に戻って葬儀の準備をするところなんです」 隣の男性は、その理由を聞いた途端、 絶句しました。 「監督不行き届きの父親と、しつけのなってない 幼い子どもたち」と映っていた映像が、 「妻の死に途方にくれた父と、母の死を 把握できていない不憫な子どもたち」 に変わった瞬間です。 自分の知り得た部分的な情報だけで人を判断し、 「裁く」という行為がどれだけ意味のないとかを 教えてくれるエピソードです。
まゆの感想
こちらから見て、
「なんでそんなことをするの、信じられないっ」 「ずいぶん、礼儀知らずの人だな」 「そこの人、礼儀に反しているよ~」 「ずいぶん失礼な行為をする人だな」 などなど日々感じることがあります。 そして、そんな行動をとっていること、 行為をすることに対して、批判的な目でみて、 「まったく、親のしつけができてない」 「どんな生活をしているのか」 「いい年こいて、恥ずかしくないのかな」 などなどと、自分の感覚でその人を 「いつもこんな行動、行為をする人」 と、決めつけてしまいがちです。 今日のことばの例のように、 劇的な事情があることはまれかもしれませんし、 非常に自分勝手な考え方をしている人もいますが、 その行動、行為の理由を聞いてみると、 意外な答えが返ってきて、 「そうか、そうだったのか…知らなかったね… それはこちらが失礼だったね」 「そうか、そう考えていたのね」 と、こちらの一方的な見方で、 その人の一部しか見ていないことに気づき 反省することもあります。 事情を聞いてみないとわからないこと、 こちらの勝手な裁きが正しいとは限らないこと、 肝に銘じておかねば…と思ったしだいです。 |
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