■2020年09月16日の「今日のことば」■
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![]() 真面目で責任感の強い人は、他人の愚痴に対しても 「解決してあげなくちゃ」と 全力で正論をぶつけてしまいがちです。 「そういうときは、こういうふうに してみたらどうだろう?」 「辛いのはわかるけど、そのやり方では ダメだと思う。一緒に考えよう」 これらの言葉は、たしかに正論かもしれませんし、 それで解決するのかもしれません。 ただ、こう言われたほうの気持ちは、 「納得がいかない」のではないでしょうか。 私たち精神科医の仕事は、まず 患者さんの話を聞くことから始まります。 患者さんがどんなことを話しても、 ひたすらうなずいて耳を傾けます。 そうすることで、患者さんは心に溜まった 言葉をはき出し、多少なりとも気持ちの 整理がつきやすくなります。 もしも、患者さんの話に 「それは間違っている」などと言ったら、 きっと患者さんは心を閉ざして何も話して くれなくなるでしょう。 「なんとかしてあげたい」と思うなら、 愚痴を聞くときにはまず、意見を言いたい気持ちを こらえてみることです。 適切なアドバイスをしているはずが、 相手にとっては「正しさ」の押しつけに 感じられるとしたら、それは、 非常にもったいないような気がするのです。
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愚痴をきかされると、なかなか黙って聞けず、
早々に、 「だったら、こうした方がいいんじゃない」とか 「へぇ~。でさ、この間ね…」などと 正論を言ったり、話をすり替えがちです。 愚痴をいう人は、話がいつも愚痴っぽく、 内容も同じで、堂々巡りをしているように感じるし、 そんな愚痴をえんえんと聞かされるのはイヤだし、 心のどこかで、 「そんなに愚痴ばっかり言っていたら、 みんなに嫌われるよぉ」 「どうせまた、同じ話し」 とも思っているから、相手の話をまともに、 聞きたくないと思ってしまうのです。 愚痴を言う方も、言っても仕方ないと思いつつ、 言わずにはおれない、そんな心境なのでしょう。 そんな愚痴につき合うのは、正直なところ、 仕事でなければ辛いものがありますが(汗) 深刻なときもありますから、ときには、 「大変だったね」「それは辛かったね」 と耳を傾け、ちゃんと聞いてあげることも 大切なのだと実感しています。 かなり忍耐がいりますが、 こちらも愚痴を聞いて欲しいときもありますし、 愚痴を聞くことによって、相手が落ち着き、 新しい視点を見出すこともあるからです。 |
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