■2020年07月15日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
中学生になったある日、主治医の先生は、 私に時間をかけて説明してくれました。 薬を一生飲み続けなくてはいけないこと。 どれだけ生きられるかわからないこと。 不思議なことに、その瞬間に 私が感じたのは、強烈な自由でした。 明日死ぬかもしれないなら、 好きに生きてやろう。 私は病気の恐怖から解き放たれ、 自由になった気がしたんです。 私は病気を克服することは できませんでしたが、人生がいかに あやふやで不確かなものかを 受け入れることができました。 あきらめることの大事さを知りました。 私はいつ死ぬかわからないと言われました。 だけど、私は毎日死のことを考えて 生きているわけではありません。 最終的に死というゴールがどこでくるか、 わかりませんが、それを無理に変えようとせず、 答えを求めず、むやみやたらに解決しようと することをあきらめ、ぷかぷかとゆる~く つき合いながら生きています。
まゆの感想
藤野さんは、川崎病の後遺症で心臓に冠動脈瘤が
出来てしまいましたが、今も薬を飲みつつ、 精神科医として活躍しておられる方です。 さて、上記のような能力を、 「ネガティブ(否定的)ケイパピリティ(能力)」 と言うそうです。 「どんな物事でも解決できるとは限らない。 答えがあるわけではない、ということを 受け入れる能力のこと」 だそうです。 そして、今のような状況のときには、 こんな考え方をするとよいそうです。 「先の見えない暗い道を進んでいる私たちですが、 この道がまっすぐなのか、トンネルなのか、 あるいは夜道なのか、いずれ夜が明けるのか… 頭の中でグルグルと疑問が渦巻いてきそうですが、 答えを急いでも結果は変わりません。 どれだけ焦っても結果は同じです。 人間の力でどうにもならないこともあるのだと、 あきらめていいんです。 不安なときこそ、一度ぷかぷかと浮かんだような 気分になって自分を俯瞰で眺めるような感覚を 持ってください。 自分が何に苦しんでいるのかが、 少しだけわかるかもしれません。 少しだけ苦しさが楽になるかもしれません」 コロナうつが増えているということです。 私も正直、それ気味です。 でも、この頃は、 「感染したら、感染したときだ。 そのときはそのときだ。 なったときの怖さや惨めな気持ちを、 何も今、先取りして感じることはない。 そして、感染しないように、できることを しっかりしていけばいいのだし、免疫力を高めるべく、 体によいことをしておく方が大事だ、 恐れて、ビクビクするよりゆるめでいこう」 と思うようになりました。 ぷかぷか思想でいきたいな~ (なかなかイメージがわかないのですが(苦笑)) そのほうが、自分の思考から解き放されて、 自由になれそうだな~と思っているところです。 |
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