■2019年12月11日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
テレビドラマ等で、 ときに末期がんに侵された夫が息を引き取る寸前、 ベッドの脇で見守る妻の目を見ながら、 「愛しているよ」と語りかけるシーンがある。 妻も「私も」と応じる。 今まで言えなかった言葉を口にし、 満足した表情で息を引き取る夫。 視聴者の感動を呼ぶシーンだが、現実に こんな情景を繰り広げられることはない。(略) (40代の妻を胃がんで亡くしたYさんは、 上記なような別れができなかった)Yさんは、 「僕は最後に彼女に「ありがとう」って、 ひと言だけでも言いたかったんです。 テレビやドラマではよく言っているじゃないですか」 「なんで僕だけ、そんな機会が訪れなかったのか」 と嘆いていた。 残念で悲しいが、 このようなことは彼に限ったことではない。 テレビドラマの臨終シーンこそが虚構なのだ、 ということをよく覚えておいたほうがよいだろう。 (大津秀一著分)
|
|