ことば探し
★私は、「生きている実感」を心から感じています★

■2019年11月21日の「今日のことば」■

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「今日のことば」

私は、心理カウンセリングを行っていた女性から、
こんな相談を受けたことがあります。
女性は40代の専業主婦で、女子高生の子どもが一人います。

彼女は幼いころから、
「女の子は結婚して家庭に入るのが一番幸せなのよ。
 そして、いい人と結婚できるように、いい大学に入りなさい」
と母親に言われ続けて育ったそうです。
彼女自身もその言葉通りに、真面目に生きてきました。

ところが高校生になる自分の娘は、いくら言っても勉強せず、
コンパだ、オフ会だと、自分の育った時代では
考えられないことばかりやって、遊んでいます。
このままでは取り返しがつかなくなると心配した彼女は、
あるとき娘に、自分が母親に教えられたのと
同じことを言って、お説教をしたそうです。

すると娘はいつになく真顔となり、
「なんで結婚だけが女の幸せなの?
 ○○ちゃんのママは離婚しているけど、
 バリバリ働いているじゃない。それに、
 ママと同じ歳だけど、ぜんぜん若いし、
 女としてすごくキレイじゃん」
と、言い返したのです。

彼女は絶句してしまい、娘の言葉に反論できませんでした。
自分は母親に言われたことが正しいと思って、その通りに
生きてきたけれど、娘に
「なんで結婚だけが幸せなの?」
と聞かれてはじめて、いままでその理由を真剣に
考えることがなかった事実に気づいたそうです。

確かに独身でも、幸せな女性はいるじゃないか、
私は間違っていたのだろうか。
いままでの私の人生はなんだったの?
彼女はわからなくなり、
すっかり混乱してしまったというのです。

 

出典元 あの人だけはなぜ許せないのか
おすすめ度 ★★★★☆  ※おすすめ度について
著者名 富田 隆

まゆの感想
心理学者の富田さんは、
この相談者は、長い間母親から刷り込まれてきた固定観念に
縛られてきましたが、娘が発したひと言がきっかけで、
何が正しいのかわからなくなってしまった、いうなれば、
「価値観の空白」が起こったというのです。
そして、こんなことが大切だということです。

「相談を受けて私は
 「せっかくお嬢さんがきっかけを与えてくれたのだから、
  じっくりといままでの人生について考えて見てはどうでしょう」
 と、アドバイスしました。そして、
 「どうしても自分の考えが譲れないと思えば貫くべきであるし、
  考えを変えたほうがいいと思えば、そうすればいいのではないか」
 と助言しました。
 最終的に彼女が「やはり女の幸せは結婚」であるという
 結論に思い至ったとしても、それはそれでいいのです。

 なぜなら、それはすでに母親から刷り込まれた価値観ではなく、
 彼女が初めて疑問を持って考え、
 自分の中から生まれた価値観ですから、
 意味がまったく違うのです。

 なにより大切なことは、
 周りの意見に影響されるのではなく、
 しっかりと自分の頭で考えたうえで、
 「自分なりの価値観」を持つことなのです」

年代の違う、立場の違う、環境の違う方々と話していると、
価値観が違い過ぎて戸惑うこと、とても理解できないこと、
自分の価値観に疑問を感じることなどなどあります。
そんなときは、自分の価値観を見直してみる、
棚卸ししてみるチャンスなのかもしれませんね~

自分の価値観を棚卸しすることは、
今までの自分を否定するわけではなく、
自分らしく生きるためのバックグランドになる、ということです。

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