■2019年09月05日の「今日のことば」■
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![]() 脳はいくつになっても成長できる。 脳科学の研究を通して、 このことを長年伝え続けてきた私ですが、そんな私でさえ 「脳はここまで成長できるのか!」 と痛感させられた出来事があります。 東京大田区にある機械メーカーの 社長Tさんの脳画像鑑定をしたときのことです。 Tさんは当時、御年80歳。 仕事一辺倒で生きてきたものの、 80歳を前に仕事以外のことをしてみようと、 77歳のときに社交ダンスと囲碁を習い始めたといいます。 実際に脳画像を拝見したところ、80歳とは思えないほど、 脳の神経ネットワークが活性化して発達していました。 新たに始めたダンスや囲碁が、彼の脳を活性化させていることは 容易に想像できましたが、年齢を感じさせない発達ぶりは、 見事というほかありません。 ところが驚かされたのはのその後です。 Tさんは社交ダンスや囲碁に加えて、今度は 「やったことのない音楽に挑戦してみたい」と ドラムを習い始めます。 ご存じのように、ドラムは両手両足を別々に動かしながら、 譜面を見てリズムを刻むという、高度な動きを要求される楽器です。 この難易度の高い楽器を、Tさんは粘り強く1年間習い続けました。 その結果、なんと81歳のTさんの脳の神経ネットワークは、 脳の成長が著しい小学1年から小学2年にかけての1年間と 同じくらいの驚異的な成長を遂げていたのです。 一般的な常識をくつがえし、Tさんの脳が驚異的な成長を 遂げることができたのか、それはひとえに 「素直に学ぶ力」に優れていたから。 言い換えれば、「伝えられるものを謙虚に受け止める力」が 抜群に優れていたからではないかと思うのです。
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