■2019年08月28日の「今日のことば」■
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![]() 頭のいい人たちは、 周囲を困らせようという悪意をもっているわけではない。 ただ、対人コミュニケーションでは〝無能〟なのだ。 「あの人は頭がいいから、部下の気持ちもわかるはず。 それなのに、こんな理不尽な命令をするなんて、 おれたちのことを嫌っているんだ!」 と思いがちだがそれは違う。 高学歴、高偏差値の人の脳はバランスが悪く、歪みがある。 記憶系の脳番地ばかりが発達しているため、成績は優秀だが、 コミュニケーションに限定していえば無能な場合が多い、 ということを社会の共通認識にする必要がある。 世の中には、意外と悪意は少ない。 ただ、自分と他者がもっている脳はそれぞれ異なるため、 お互いに見えている世界、理解している世界も全く違う。(略) 脳の働きは人によってまったく異なる。 その事実をみんながもっと共有することが、 これから必要なのではないだろうか。
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著者の加藤さんは、
医師でMRI脳画像診断、発達脳科学の専門家で、 1万人以上の脳画像を見てきたそうですが、その結果、 高学歴、高偏差値の人は、それを維持するために必要な一部の 脳番地(脳部位)はとても発達しているが、その他の脳番地は、 未発達なことが多い、とわかってきたということで、 ちょっとショッキングな内容が書かれていました。 高学歴、高偏差値の人は、記憶、言語、知識の脳が発達していて、 それがいちばん得意な分野なので、何かあったとき、 その得意な分野を使って乗り切ろうとするため、 本来はコミュニケーションをとって解決すべきことでも、 記憶や言語や知識を駆使して、理屈や理論で、 乗り切ろうとすることが多いそうです。 そして、それらが発達していない人を見下したりもして、 周囲から浮きがちだということです。 学生時代は、その分野が評価され一目置かれもしますが、 社会にでれば、記憶や言語、知識量だけでは評価されませんし、 長い人生、それだけではうまくやっていけませんよね。 でも、それを押し通そうとするようです。 脳は、何歳からでも刺激を受けて発達するそうですから、 いろいろな脳の部位を発達させていくといいそうです。 そのためには、 「自分は物知りで、もう大体ことはわかっている」 「そんなことはすでに知っている」 「やらなくてもわかっている」 などと言ってふんぞり返っていないで、わかりきらずに、 いろいろなことに興味を持ち、感動したり、何かにチャレンジしたり、 運動したり、自然に出て自然を感じたりすることが とても大切だということです。 |
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