■2019年01月16日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
診察室に来るある患者さんは、写真に特化した ソーシャルネットワークであるインスタグラムにはまっている。 写真だけで交流できるので、面白い写真を載せたりすると、 世界中の人から「いいね!」という評価が一斉に来たりする。 そうすると、 「今日は、南米や北欧の人から「いいね!」と言われました」 と嬉しそうに報告してくれる。 それが彼女の最大の生き甲斐になっているのだ。 当人がインスタグラムの活動によって、 引きこもり状態から抜け出せたのは歓迎すべきことなのだが、 思わぬ落とし穴が待っていた。 今度は、写真のネタ探しのために 行きたくないところへ行ったり 食べたくもないものを食べて写真を撮ったり、 そっちの活動に振り回されてクタクタになっているのである。 そんなしんどいならやめればすむ話だ。 傍から見れば本末転倒に思えるが、本人は自分への 「いいね!」の数が減っていくのが怖くてたまらず、 やめるにやめられない、のである。 自分に対する肯定的な感情をネットの世界で得ることは、 インスタントな手軽さがある。 だが、その反面、簡単にそれがひっくり返ってしまう不安と ストレスが絶えず、裏側にくっついているのである。
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