■2018年11月07日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
日本の会社では、個人の職務範囲が不明確になりがちだ。 同じ職場内の仲間ということで、 担当外の仕事を手伝うということも珍しくない。 個人主義の徹底した文化圏なら、 個人の担当する職務が明確に規定されており、 いくら隣の人物が仕事が終わらず、必死の形相で残業態勢に 入ろうとも、自分のすべきことが終わり終業時間が来れば、 何の躊躇もなく即刻帰るだろう。 だが、私たちは、そのように割り切れない。 自分だけあっさり帰るのは申し訳ないと思う。 そして、自分のすべき仕事ではないけれど、 隣の人物の作業を手伝ったりする。(略) 一応個人の職務範囲は形式上は規定されていても、 実際に仕事をする際には、臨機応変に越境していく。 いわば「職務中心」でなく「職場中心」で動く、 といったところが私たち日本人にはある。
まゆの感想
日本の職場では、自分の職務の範囲を超えて仕事をすることが、
当然のように求められらること、結構ありますよね。 例えば、上司から、他の人の仕事や他の部署の仕事を 手伝うように言われた場合も、 「私の仕事ではありません」「私の職務の範囲からはずれます」 のように断ることなど、まずできない雰囲気ありで…。 そして、その助け合いが、全員野球のように一丸となれて、 日本の良さや強さをつくり出してもいました。 ところが今は、こんなこともあるようです。 先日、創立15年、社員が30名の企業の 38歳の若き社長と話をする機会がありました。 社長は、こんなことを言ってました。 「新入社員を採用したけれど、どうも以前のようにいかない。 まず、休みとか職務範囲が曖昧だと入社もしてくれない。 週休2日キッチリないと「話が違う」となるし、 残業が続いたり、違う仕事を振ると「話が違う」となることもある。 といって入社前に、会社での正直なところの仕事の話をすると、 例えば、忙しくなる時期は休みが取れないこともあるし、 残業も続くし、職務と違うことを頼む場合だってある、 というと「ブラック企業だ」などとも言われかねない。 だからなかなか仕事を覚えてもらえない。 結局、以前からいる社員を中心に動かすことになって、 その結果、以前からいる社員ばかりに負担がいって、 不満を持たれることにもなる… どうバランスをとればいいのか、新入社員を どのように育てればいいか、今、格闘している」 日本の職場も、「職場中心」にではなく、 「職務中心」になっていくのか、 働き方も変わっていくのか、 どうなっていくのでしょうね。 |
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