■2018年10月31日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
個人を競わせるからには、 その土台となる条件が同じでなければなりません。 しかし、実際には、まったく同じ条件で競わせることは ほとんど不可能です。 ある企業では、社長が成果主義を導入し、 若い社員を競わせ、成績に応じた給与を支払うようにしました。 すると、業績が悪くて給与を減らされた社員が どんどん辞めていきました。 社長は 「仕事ができない人間が辞めたのだから望むところだ」 と思ったようですが、実はとんでもない勘違いでした。 その会社では、社員一人ひとりに 担当地区を割り当てて営業させていました。 しかし、地域によってお客様のニーズに相当な違いがあり、 契約が取りやすい地域と非常に取りにくい地域が 存在していたのです。 残った社員は、特別に優秀だったわけではなく 担当地域に恵まれていただけ。 だから、辞めた人間が担当していた地域に回ると、 前任者よりも少ない契約しか取れないという結果になりました。 個人を競わせると、チームの雰囲気が悪くなるだけでなく、 チームとしての成長戦略そのものがダメになっていく 可能性があるのです。
まゆの感想
行動科学マネジメント研究所所長の石田さんは、
競わせるなら、個人同士ではなく、 数名ずつのグループ単位で、と言っています。 さらに、こんなことも。 「特筆しておきたいのは、自分たちを競わせる上司を、 部下は好きにならない、ということです。 これは、競って負けてしまう部下だけでなく、 勝てる優秀な部下も同様です。 部下は駒ではなく、心を持った人間です。 彼らは、自分の上司をよく観察し、 口に出さずとも、いろいろなことを考えています。 本当に自分たちを育ててくれようとしているのか、 それとも自らの成績を上げるために利用しているだけなのか、 じっと見ています」 ある職場では、個人同士で、 正社員とアルバイトを競わせたり(ひどいですね~) 年齢差や性別が違うのに(もちろん給料も違うのに) 競わせたりする職場もあるそうです。 そんなことされたら、いっときは頑張る人もいるでしょうが、 だんだんに疲れてきて、職場も仕事も、 イヤになってくるように思いますし、自分だけでなく、 周囲の人も、壊れてしまうこともあるように思います。 個人を競わせるなら 「土台となる条件が同じ」でなければならない、 本当にそうですよね。 違っていたら、不公平ですもん。 それに、人間関係も悪くなりますもん。 これは、職場に限らないですよね。 |
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