■2017年07月24日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
「大丈夫?」と聞かれると「大丈夫!」と答えてしまう… これは大人の社会でもよくある、言葉の条件反射なんですね。 この条件反射には理由があるの。 投げかけられる「大丈夫?」という言葉には、 「尾木先生、ちゃんと原稿書いているかな? 原稿書いててほしいな、いや、きっともう 書き終わっているんじゃないかな?」 という、尋ねる側の不安と期待が含まれているの。 そうした不安と期待をいうのは相手にも伝わるんです。 尋ねられた側は、心配させたくないし、 期待にも応えたいから、「大丈夫!」と答えてしまうんです。 大人がそうなんだから、ママの顔色や声色に敏感な子どもなんて もっと簡単にママの不安と期待をかぎ取るわ。(略) 「それが…大丈夫じゃないんです」 そう正直にいうのは、相当勇気がいることなんです。 パパやママでさえそうなんだから、子どもが 「大丈夫じゃない」と言うのはもっと大変。 とりあえず「大丈夫!」って言ったほうがママは安心するし、 怒られないし、その瞬間は楽だものね。 すると、子どもはママに「大丈夫?」と聞かれれば、 「大丈夫」って答えるようになってしまうの。 本当は「大丈夫!」が、じつは、 「助けて!」「本当はつらいの」という子どもたちの サインだったりする場合もあるのに…
まゆの感想
たとえば、
「お友だちと仲良くやっているの?大丈夫?」 「大丈夫、大丈夫!」 「学校、大丈夫?」 「大丈夫だよ」 明るい返答にすっかり安心してしまって、子どもが学校で いじめにあっているのに気づけない… なんていうことが一番問題、だそうです。 尾木先生は、 「「大丈夫?」という言葉はコミュニケーションでもなんでもない。 きっと大丈夫に違いないという、大人の自己満足にすぎない」 と言っています。 そして、本当のコミュニケーションをとりたいなら、 子どもも大人も、目や表情や様子をキチンと見ること、 質問するときは、ひとつひとつ具体的にすることが とても大切だと言っています。 ×「算数は、大丈夫?」 ○「算数はいま、どのへんを勉強しているの?」 ×「学校は、大丈夫?」 ○「休み時間は何をしたの?」 などと。 こちらが安心したくて、ついつい 「○○は、大丈夫?」と漠然と聞き、 「大丈夫だよ」と定型通りに答えてもらい、 「ああ、よかった、大丈夫だって」なんて思いがち。 でも、本当は違うかも… |
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