■2016年10月28日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
99頭の牛を所有する男がいました。 インドの民話です。 彼は、あと1頭の牛を手に入れると切りのいい100頭になると考え わざとオンボロの服を着て、貧乏人になりすまして、遠くにいる 友人を訪ねて行きました。 友人はたった1頭の牛を持って、暮らしています。 「お前はいいなあ、俺は貧乏になったんだ。 子どもたちにたべさせることもできなくなった、助けてほしい」 彼は友人にそう訴えました。 もちろん嘘ですよ。 彼は99頭の牛を所有する大金持ちです。 「そうか、きみはそんなに困っているのか… ぼくであれば、この1頭の牛がなくなっても、 妻と力を合わせて働けばなんとかなる。 だからこの1頭の牛をきみに差し上げる。 この牛を連れて帰って、お子さんたちにミルクでも 飲ませてほしい」 貧しい男はそう言って、友人に1頭の牛を布施しました。 大金持ち1頭の牛を手に入れ、 「これで切りのいい100頭になった」 と、喜んで寝ます。 一方、貧しい男も、 「友人を助けることができた」 と思って、喜んで寝ました。 さて、どちらの喜びが本当の喜びでしょうか… 私が読んだインドの民話の本には、最後にそんな 疑問文がありました。
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