■2016年10月28日の「今日のことば」■
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![]() 99頭の牛を所有する男がいました。 インドの民話です。 彼は、あと1頭の牛を手に入れると切りのいい100頭になると考え わざとオンボロの服を着て、貧乏人になりすまして、遠くにいる 友人を訪ねて行きました。 友人はたった1頭の牛を持って、暮らしています。 「お前はいいなあ、俺は貧乏になったんだ。 子どもたちにたべさせることもできなくなった、助けてほしい」 彼は友人にそう訴えました。 もちろん嘘ですよ。 彼は99頭の牛を所有する大金持ちです。 「そうか、きみはそんなに困っているのか… ぼくであれば、この1頭の牛がなくなっても、 妻と力を合わせて働けばなんとかなる。 だからこの1頭の牛をきみに差し上げる。 この牛を連れて帰って、お子さんたちにミルクでも 飲ませてほしい」 貧しい男はそう言って、友人に1頭の牛を布施しました。 大金持ち1頭の牛を手に入れ、 「これで切りのいい100頭になった」 と、喜んで寝ます。 一方、貧しい男も、 「友人を助けることができた」 と思って、喜んで寝ました。 さて、どちらの喜びが本当の喜びでしょうか… 私が読んだインドの民話の本には、最後にそんな 疑問文がありました。
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ひろさちやさんは、こう付け加えてつづけます。
「金持ちの喜びはたったひと晩の喜びです。 彼は翌日目が醒めると、 「切りのいい100頭になった。さあ次は、 目標150頭でがんばるぞ!」 と考えます。 すると、彼が所有する100頭の牛は、その瞬間に、 マイナス50頭 になります。 マイナス50頭は、ゼロ以下です。 そして彼は、これをマイナス40にするために、 さらにマイナス30、マイナス20にするために、 あくせく、いらいら、がつがつ… とした人生を送らねばなりません。 それでもって150頭にできるとは限りませんが、 かりに150頭にできたとしても、喜びはたったひと晩です。 彼は、次は目標200頭でがんばらねばなりません。 そして「あくせく、いらいら、がつがつ」 の人生を送るはめになります。 それに対して貧しい男の喜びは本物です。 彼は妻と力を合わせて働き、のんびり、ゆったりと 生きることができます。 たった1頭しか持たない牛を友人に布施できるのですから、 彼はがつがつはしません。 あくせくはしません。 「のんびり、ゆったり」と人生を楽しむことができるのです。 さて、どちらの喜びが本当の喜びでしょうか…」 みなさまは、どう思われますか? 私は、いろいろと考えちゃいました(笑) いっぱい所有するために「あくせく、いらいら、がつがつ」は、 イヤだな、といって、たった1頭の牛を布施もできないな… なんて、ね(笑) |
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