■2016年02月10日の「今日のことば」■
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![]() 僕は、いろいろな所に出かけるのが、大好きです。 でも、喜んでいることを、一緒にいる人に わかってもらえないときがあります。 心の中では喜んでいても、初めての場所で自分の行動が イメージできずに、大騒ぎしたり、些細なことでも 感動し過ぎて泣いたりするからです。 普通の人は、言葉でも自分の気持ちを説明できるので、 喜んでいるか嫌がっているかで誤解されないと思います。 僕は、こういうとき、とても悲しい気持ちなのです。 そのせいで、周りの人に迷惑かけたり、一緒にいる人を 嫌な気持ちにさせたりすると、絶望的な気分になります。 連れてきたことを後悔しているのではないか、もう二度と 外出できなくなるのではないかと心配になるからです。(略) 旅行に行けることは、僕にとって最高の楽しみです。 それは、いつも見られない風景に出会えるからです。 目にする景色が違うだけでも、まるで生まれ変わったような 気持ちになれることがあります。 障害があると、旅をするのも、大変なことがあるかもしれませんが、 ぜひ、連れて行ってください。 時に気分転換が必要なのは、みんな同じです。 いつもと違う環境のために、混乱するかもしれませんが、 ひとつずつ解決することで、見えるものがあります。
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東田さんは、会話ができない重度の自閉症(本の紹介文から)
なのですが、パソコンや文字盤のポインティングを使って、 自分の思いや気持ち、自閉症の内部を伝え続けている方です。 すごくシンプルなことばで、伝えてくれるので、 こちらに気持ちがまっすぐに伝わってきます。 例えば、こんなことが書かれています。 「予定していた時間がずれたり、行き先が急に変更になったり するようなとき、僕はわーわーと騒いでしまうことがあります。 僕には、気持ちに折り合いをつけるための時間が必要なのです。 だから、騒ぐからといって変更しなければ、気持ちに折り合いを つける練習をする機会を逃してしまいことになります。 見通しは、あった方が、いいのかもしれませんが、 僕は少しずつ、いつもと違うことに慣れるべきだと考えています。 僕が気持ちに折り合いをつけるためには、 段階を踏まなければなりません。 このようなやり方は時間がかかりますが、 僕はこれが良かったと今では思っています。 母は、繰り返し辛抱強く、僕の行動を注意してくれます。 自閉症だからやってしまうことに対して、僕を責めたり、 母が落ち込んだりすることは、ほとんどないです。 僕の状態が悪くても、取り立てて気にしません。 母がいつも同じ態度で接してくれるおかげで、 僕は明日こそ頑張ろうと思えるのです。 そして自分でも、もっとよくなりたいと 願うようになりました」 自閉症と聞くと、自分とは違うとか障害者、特別な人と 思いがちですが、東田さんのことばを読んでいると、 これは自分にも当てはまると思うことや、何かをするとき、 誰かと接するとき、時間がかかかってもゆっくりと、 段階を踏む方がいいな、などと思うところがいっぱいあります。 人間の原点はこんな気持ちなのではないか、と思えるところも 書かれているので、人間心理を知りたい方にはおすすめです。 |
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