■2014年09月25日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
重要な点を伝えたいときは、エピソードなどの物語を交えるとよい。
次のふたつの例を比べてみよう。 銀行が起業家に融資について説明している場面だ。 1.昨年、当行は小規模企業に対し、1万5千件以上の融資を 行いました。融資総額は12億ドル以上にのぼります。 審査にかかった日数は、平均で36日以内です。 申し込み手続きをオンライン化して、スピーディに 融資できるように努めています。 また当行には、トレーニングを積んだアカウントマネジャーが 250人以上おりますので、必ずやお客様の要望に 応えられるでしょう。小規模オーナー様への満足度でも、 常に上位5以内に選ばれています。 2.昨年、当行は小規模の企業に対し、1万5千件以上の融資を 行いました。そのうちの一件、事務用品の会社を経営する ジェリー・マルティネスさんへの融資例を紹介させてください。 マルティネスさんは、35歳になるスペインからの移民で、 ご自身で会社を興され、20人の従業員を雇っています。 今回、大手小売りチェーンから調達部の事務用品の切り替えと いう50万ドルを超す大型契約を取り付け、在庫や準備の 資金として、5万ドルの融資が必要になりました。 マルティネスさんは、当行に来られたとき、とても不安そうな 顔をされていました。資金を確保できなければ、大型契約を 失うかもしれないという状況に置かれている上に、他の2行から すでに融資を断られていたからです。 わたしくしどもは当行で最も経験豊かなアドバイザー、 エディ、ジョーダンに審査させ、それから7日後には、 マルティネスさんに融資を用意しました。加えて、 企業保険や新人の研修費用についても、お力添えをさせて いただきました。マルティネスさんの会社の売上げはその後、 倍増し、わたくしどもは次のような感謝の言葉を頂きました。 「助力に感謝しています。おかげで危機を乗り越え、 自慢できるほどの成功を収められました」 もしあなたが融資の申込者だとしたら、銀行サービス内容について、 どちらの話をもっと聞いてみたいと思うだろうか?
まゆの感想
私は、1だと、近づきがたい印象をうけました。
2の話だと、身近に感じられるし興味深いので、実際に融資を 受けるためには、どんな書類や手続きが必要になるのか、 どうしたらいいか、もっと続きを聞きたいと思いました。 みなさまは、どちらでしたか? 人類学者によれば、物語を話すという行為は、 古くからあらゆる文化にみられることだそうです。 それは、物語が集団内の社会的な結びつきを強化したり、 次世代に知識を伝えたりするのに役立つからだそうです。 また個人レベルでも大事なことで、物語を聞いてイメージを ふくらませることで「実験場」となり、経験したかのような気持ちを 持て、共感能力も高まることが実験でも証明されているそうです。 「物語」を盛り込むためには、次のようなステップがいいそうです。 1.人物を紹介する。 物語には人物が欠かせないので、まずは人物紹介を描写する 2.状況を説明する。 ここには多くの場合、乗り越えなくてはならない 課題や困難が含まれる 3.その後、何が起こり、状況がどう変化したかを 分かりやすく述べる。 4.なんらかの結末を付けたり、教訓を引き出したりする いつもの、一般的な説明、訓話、プレゼン、誰かを説得するときなど、 使ってみると、効果をきっと感じられると思います。 実際にやるとむずかしいところはありますし、ひと手間かかりますが、 やってみる価値は、大ありだと思います。 |
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