■2014年05月29日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
何かをしたいという強い願望があっても、社会的もしくは
経済的制約のために実現できないことはいくらもある。(略) 類いまれな才能の活路を閉ざされていた期間の長さでは、 アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスの 右にでるものはいないだろう。 彼女は、ニューヨーク州北部の農場に生まれ、 幼い頃には、絵を描くのに目に映る色はすべて混ぜ合わさずに いられず、そうした色を出すのにイチゴとブドウのジュースを 混ぜ合わせたりしてほどだった。 しかし、農場の暮らしは忙しく、 絵を描く機会などまったくないまま年月が経ち、 60年間絵筆を持つことはなかった。 ところが、78歳になってやっと農場の仕事から身を引き、 自らの才能を解き放つ贅沢をしたを自分にゆるしたところ、 一気に頂点まで登りつめた。 それまで封じていた子どものころの記憶を呼び覚まし、 死ぬまでの23年間に何千点もの風景画を描いた。 個展も15回も開き、画家「グランマ・モーゼス」として 世界中に親しまれたのである。
まゆの感想
そして、これについて、この本では、こう解説しています。
「グランマ・モーゼスほど切望感の強い人はそう多くはないだろうが、 どんな人にも長いあいだ胸に秘めた願望があるはずだ。 切望というのは、脳内回路の中でもとりわけ強力な回路が 引き起こす自然現象である。 だから、外界からどれほど抑圧されていても、 その強力な回路はその人に気づいてもらえるように 常に訴えつづけている。 自分の才能を本気で見つけたいなら、 耳をすましてその声をとらえてほしい」 その他、家族を養うために働き続けて、50歳半ばを過ぎてから、 小説を書き始め、英国の最高の作家とまで言われるようになった、 ブッカー賞受賞作家、ペネロープ・フィッツジェラルドは、 80歳の死に際まで書き続けたそうです。 日本でも、75歳で芥川賞をした黒田夏子さんがいらっしゃいますが、 5歳から、コツコツと小説を書いてきて75歳で受賞されました。 また、最初の日本地図をつくった伊能忠敬は、50歳から 天文学、暦学の勉強を始め、55歳から71歳まで17年間、 日本列島を歩き続け「大日本沿海実測全図」を完成させました。 こんなふうに、世の中に名前がでることがなくても、 自分のしたいことをコツコツとやっている方は多いと思います。 心の底からやってみたいと思うこと、どうしてもこれが好き、 ということがあったら、何歳からでもチャレンジしてみると いいのではないでしょうか。 せっかく現世に生まれ、生きているのですから、 やってみたいことは、やってみたほうがいいと思うのです。 |
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