■2013年02月12日の「今日のことば」■
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私は、初対面の患者さんの心に問いかけるのに
「いま何がいちばん何がつらいですか?」 という言葉がいちばんしっくりくるのではないかと思う。 私がもし患者の立場であったら、 まずそう尋ねてほしいと思う言葉だからである。 私の、この「いま何がいちばんつらいですか?」 という問いかけによって、二つのとても大事なことを 患者さんに同時に伝えられるのではないかと思っている。 一つは、 「この医師は自分の肉体的、精神的なさまざまなつらさを 知ろうとしてくれていること」 もう一つには、 「そのつらいことに対して、何らかの手だてで対処し、 支えようとしてくれていること」 この二つが患者さんの心に 同時に伝わるのではないかと思うのである。
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自分がケガをし、入院しているからということもありますが、
患者という立場は、微妙な心理状態にあるように感じます。 これは、言っていいものなのか、言わないほうがいいのか、 例えば、痛みでさえ、どう言えばいいのか迷います。 また、何をどう言って頼めばいいのか、そうしたら、 どうしてくれるのか、なども、うまく聞けなかったり… こんな患者の不安な心に、とてもありがたいことばに思えます。 そして、この「いま何がいちばんつらいですか?」は、 患者だけではなく、今、弱っている人、疲れている人、 問題を抱えている人、困っている人などの心にも、 響く言葉のように思います。 ◎自分ことを知ろうとしてくれていること、 ◎今抱えているつらいことを支えようとしてくれていること、 そんなことが伝われば、伝わっただけで、 仮に、解決や対処はできないまでも、相手の、 心が落ち着いたり、ラクになったりするように思うからです。 傍らの大切な人が、とてもつらそうだったら、 思い切って勇気をだして、こう聞いてみてあげてください。 「いま何がいちばんつらいの?」 こちらが思っている答えと、もしかしたら全然違う答えが 返ってくるかもしれませんが、それでもなお、 耳を傾けて聞いていれば、大切な人の心が和らいだり、 解決策がみえてくるかもしれません。 自分には、誰もそんなことは聞いてくれない、という方は、 自分自身に、自分でやさしく問いかけてみてくださいね。 「いま何がいちばんつらいの?いっしょに対処しよ」と。 ぜひ、自分の体、心の声を聞いてみてくださいね。 きっと、それだけでも、楽になることあると思いますよ。 |
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