■2011年08月02日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
温床でならどんな芽も育つ、
氷の中ででも、芽を育てる情熱があってこそ、 しんじつ生きがいがあるのではないか。 毒草から薬を作り出したように、 悪い人間の中からも善きものを引き出す 努力をしなけらばならない、 人間は人間なんだ。 (「赤ひげ診療譚」より)
まゆの感想
この本は、私も大好きな小説家山本周五郎の作品から、
心に残る言葉を集めた本なのでいい言葉が多いのですが、 特に今日の言葉は好きな言葉です。 この「赤ひげ診療譚」という話は、「赤ひげ」の タイトルで映画にもなり、大ヒットしたので、 知っている方も多いと思いますが、こんな話です。 「長崎遊学から江戸に戻った保本登は、貧しい病人を無料で診る 幕府の診療所「小石川養成所」の医員見習いに任じられた。 政治の無策と腐敗の中で施療一筋に突き進む“赤髭(ひげ)” と呼ばれる医長の新出去定(にいできょじょう)のやり方に、 最初は反発していた登は、次第にその生き方に惹かれて 人間的に成長していく。 医学時代小説、人情小説、成長小説といった多角的な要素を 含んでおり、いろんな読み取り方と楽しみ方ができる。 「理想主義者の文学」と称される周五郎作品の特色を よく示してもいる」 氷の中からでも育つ芽を育てていく… 毒草の中からも善いものを引き出していく… こんな手間や時間がかかること、保証がないことは、 今時は敬遠されがちで、こちらも待つ力や信じる力が 弱くなっているように感じるけれど、 こういうことができる余裕がある社会、人間がいてこそ、 のびのびした明るい活気ある世の中が続いていくように思う。 これからの世代のためにも、自分の能力を伸ばすためにも、 待つ力、信じる力をつけていきたい。 ※この本からの言葉を、以前「ぼちぼち日記」でも 紹介いたしました。こちらも読んでみてくださいね。 「小説家山本周五郎のことば」 |
|