■2008年10月23日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
アメリカの行動学者スキナーの実験がある。
50人ずつ2つのグループをつくり、 Aグループにはベストの環境、 Bグループには悪い環境を与えたのだ。 Aグループの方は、テニスをやりたければ 車でコートまで送り迎えするし、 トランプがやりたければ、カードを用意する。 中華料理、フランス料理が食べたいというと サッと運ばれる、というように最高の生活環境だった。 これに対してBグループでは、 暮らしやすい状態をつくるということしなかった。 こうして6ヶ月後に2つのグループを比較してみると、 ベストの環境の方は昼も夜もうとうとと寝てばかり。 反対にBグループの方は暮らにくいことがあると、 いろいろとアイデアを出して工夫しながら生活していたのである。 このように、人間はピンチや悪条件になると、 何とかそれを乗り越えようとさまざまにアイデアをしぼり出す。 そして、それが進歩を生む。 逆説的かもしれないが、 プラスの環境に浸っているだけでは退化してしまう。 マイナスの条件のなかでこそ成長パワーが湧いてくるのである。
まゆの感想
まったくアメリカの研究者は本当にいろいろな
面白い実験をするものだと毎度のことながら感心する。 この実験結果からも、人間はベストな環境にいると、 その環境に甘えてしまい、自ら、 何かを考えることをやめてしまう、 行動を起こさなくなる、 というような傾向があることがわかる。 自分を振り返ってみても、 ベストの環境にあったら、恐らく本を読んで勉強することも、 人間関係で悩まなければ、心理学を勉強することも、 仕事がうまくいっていたら、チャレンジすることも、 考えることも、しなかっただろうと思う。 人間は何か、やっかいなこと、苦しいこと、面倒なこと、 イヤなこと、頭にくることなどが適度にないと、 刺激もなく成長もしないのだと思う。 そんなことも、自分の成長に欠かせないものだと腹をくくり、 そんなことも、受け入れて立ち向かっていきたい。 |
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