■2008年06月01日の「今日のことば」■
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わたしたちは過去の経験に影響される。
過去は現在に意味を与える。 人の言っていることやしていることが なぜなんらかの意味を持つのか、それは往々にして、 その人の過去の経験に照らしてみなければわからない。(略) 過去の経験はしばしば、 わたしたちが生きていくうえでの、“ルール”にまで発展する。 自覚していようといまいと、 わたしたちはみんなそうしたルールに従っている。 そうしたおたがいのルールが衝突するとき、 わたしたちはトラブルに陥る。 自分自身の暗黙のルールというレンズを通して 状況を解釈しているために、 相手の行動が不適切なものに見えるのである。
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自分にとっては、大切なルールや行動、常識と思っていることが、
相手にとってはそれほどでもなく、簡単に無視されたり、 どうでもいいことの範疇に入ってしまうことがある。 そして、その違いに愕然とすることがある。 生い立ち、育った環境、過去の出来事などが全く違うので、 ものの見方や感じ方、考え方がおのずと違ってくる。 これは、当然なことだ。 しかし、そう、わかっていても… あまりに違い過ぎると、やっぱり 「なぜ、この人は、こうなのか、 なぜ、こんなふうに考えるのか、行動するのか? ちょっとおかしいのではないか…」 などと、疑問に思い、怒りを感じ、不信感さえ持つこともある。 しかし、こちらがどう思おうが、相手の考えは変わらない。 相手は、そのルールや考え方が正しいと思っているのだ。 こちらがそう思っているように。 この溝は、なかなか埋まらない。 自分も相手も、それぞれの過去を背負い、その過去の体験から、 無意識のうちに、世界を見てしまっているからだ。 重い過去を持っていれば、なおさらだ。 こんなときは、自分のルールや価値観を押しつけず、否定せず、 相手の考え方をひとまず、受け止めることが大事だと思う。 それは、同意することではなく、 「なるほど、そう考えるのね」「そう思うのね」 と、相手の感じ方、考え方を尊重してあげることだ。 それは、それぞれの持つ過去や経験に対する尊重でもあり、 ひいてはそれは、相手に対する思いやりでもあると思う。 なかなかこうはできないが、できるだけそうしていきたい。 |
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