■2007年10月02日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
人生は、刺しゅうを裏から眺めているようなものだと思う。
糸が交差し、もつれ合い、結び玉があり、混沌としている。 しかし、表に一幅の絵が織りなされるために、 その絵の色彩がよく、精巧なものであるためには、 それだけ、裏側は複雑でなければならないのだ。 美しい人生というのも、そんなものではないだろうか。 送っている間は、少しも美しいとは思えず、 むしろ、まどい、疑い、苦しむことが多いものでしかない。 しかし、実は、それらがあってはじめて、 その人しか織りなせない人生という ユニークで美しい織ものは織られるのである。
まゆの感想
先日、仕事の打合せで、
何度か仕事をしている40代前半の女性と会ってきた。 仕事熱心でいつも笑顔で、元気いっぱいで、 第一線で仕事をバリバリやっていて、 成功しているキャリアウーマンというのが 彼女の印象だったが、お互いにゆっくり話す時間もなく、 私は、彼女の人となりをまったく知らなかった。 順風満帆な人生を送ってきた人なんだろうと思っていた。 今回は、たまたま時間があり、 彼女と話しをすることができたのだ。 そして、健康についての話しになったとき、 彼女の話に本当に驚いてしまった。 彼女は、30代で2度の開腹手術をしており、 その間体調がすぐれず4年間仕事が出来ず、 さらに、その間に離婚をし、そして現在、 2人の子どもを育ていると言うことだった。 病気のことも気にしながら… 表面から見ると、彼女の人生の絵はおそらく、 成功して、美しく輝いている絵に見えると思う。 少なくても、私にはそう見えていた。 しかし、その裏側は、糸が切れたり、もつれたり、 糸がなかったり、そんなふうだったかもしれない。 裏側を、まったく感じさせない彼女の姿に、 私は、すっかり驚き、感動し、ことばもなかった。 そして、この話の締めくくりで彼女が言ったことばば とても印象に残った。 「でもね、なんとか乗り切ってきたの。 だから、これからも大丈夫だと思うわ、 そう信じているの」 人は、表面から見ただけでは、わからない… だから、表面だけで判断してはいけない。 裏側までは見えないものだと、 そうしみじみ思ったのでした。 彼女から、この話を書く許可をもらったので、 書くことにしました。 |
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