■2022年04月07日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
「恩」の人間関係で難しいのは、 恩を与え、恩返しを受ける立場の人は、 その人間関係を最も心地よく思っているが、 反対に恩を受けた人は、その人に会うと、 恩返しをいつも意識し、恐縮していなければ ならないので、長期になると、 あまり会いたくなくなり、会ったときも よい気分になれない人が多いのです。 ここで問題なのは、恩を与えた人は、 受けた人が、当然、恩を感じている自分に 好意を持っていると思い込んでいることです。 困っている人を助けてあげたのだから、 助けられた人は、助けた人に好意を持つのは、 当然だという考え方です。 道徳的に言えば、その通りなのですが、 相手の気持ちも考えない一方的な援助は、 恩を感じてもらえるどころか、むしろ 恩着せがましい行為として、嫌われることに なってしまうということです。 人の自尊心やプライドを踏みにじるような、 あるいは「困っているのだから助けてあげる」 といった一方的な上から目線は、 決して歓迎されません。
まゆの感想
「援助行動の実験的研究」というのがあって、
この実験で、上記のような複雑な 人間心理がわかってきたそうです。 この実験結果によると、 援助者に好意を持つかどうかは、 そう単純ではなく、日本では、 「贈られた分(援助された分)と、 同等分を返す、同額返却条件を 示された方が一番好意的に受けとられ、 逆に、高返却条件の援助者には、 強い拒否反応を示した(若い方など)」 ということでした。 (一部簡略化しています。 また、災害などによる援助ではなく、 日常生活における援助になります) 昔から、恩着せがましい人はいるし、 逆に、恩を仇で返す人もいます。 また、受けた恩を忘れず、生涯をかけて、 恩を返したり、尽くしてくれる人もいますが、 すぐに恩を忘れてしまい、なかったことの ようにふるまう人もいます。 援助される方の心理も、 援助された方の心理も、 一筋縄ではいくものではなく、 なかなか複雑なのだと思ったしだいです。 |
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