■2018年12月13日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
何故「わたし」たちは、半ば無意識的に 「みんな」に頼り、「みんな」についていこうとするのか? それは、「みんな」が常に「正しい」からである。 この「正しさ」には、 「みんな」と同じにやっているのだから、責められるべき 道理がないという意味での法的、倫理的「正しさ」と、 「みんな」の振る舞いに合わせていれば、自分も失敗しないと いう意味での状況判断上の「正しさ」という2つの意味がある。 「みんな」の内に溶け込んでいる限り、 「わたし」は安泰なのだ。
まゆの感想
以下のような言葉を聞くことはよくありますよね。
「みんな、そう言って(思って)るよ」 「みんながしているから、私もしてもいい」 「みんなそうだろう?」 「赤信号、みんなで渉れば怖くない」 この「みんな」は、 「みんな」って誰のことか? 「みんな」って何人くらいのことをいうのか? 「みんな」ってどんな人たちのことを指しているのか? などなど、問い詰めていくと、 実は確かな実態がないことがわかります。 でも「みんな」という言葉は、とても便利に使われます。 自分のやっていること、言っていることを 「みんな」を後ろ盾に正当化や正論化して、 相手を説き伏せようとするときなどは、とくに。 「みんな」をよく使う人は、「私」を主語にはしません。 「私」より、「みんな」の意見や空気が大事なのか、 「私」の意見より「みんな」の意見の方が正しいと思っている からかもしれません。 ただ今の時代は、この「みんな」が多様化しているので、 後ろ盾であるはずの「みんな」にすぐに裏切られたり、 違う「みんな」に、攻撃されたりもします。 「みんな」との付き合いもなかなか大変です。 この本を読みながら、詩人金子みすずさんの 「みんな違ってみんないい」 という言葉を思い出しました。 |
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