■2018年03月12日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
常々オイラは考えてるんだけど、こういう大変な時に 一番大事なのは「想像力」じゃないかって思う。 今回の震災の死者は1万人、 もしかしたら2万人を超えてしまうかもしれない。 テレビや新聞でも、見出しになるのは 死者と行方不明者の数ばっかりだ。 だけど、この震災を 「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、 被害者のことをまったく理解できないんだよ。 じゃあ、8万人以上が死んだ中国の四川大地震と比べたら マシだったのか、そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。 それは死者への冒涜だよ。 人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。 そうじゃなくて、そこには 「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。
まゆの感想
聞いたことがある方も多いと思いますが、
これは、ビートたけしさんが、震災直後に、 週刊誌のインタビューに答えて言った言葉です。 「2万人が死んだ一つの事件」 とひとくくりにすると、一つの事件にしか過ぎなくなるが、 そうではなく、 「1人が死んだ事件が2万件あった」のだと。 そこに一人ひとりの事情や背景があるのだと。 本当にそうだ、と思います。 そして、被災し、大切な方を亡くしながら、 この震災後を生き抜いている方々の一人ひとりにも、 今でもいろいろ事情があるのだと思います。 決して忘れることのない思いも。 このことも、ひとくくりにしてはいけないと思うのです。 東北にある私の生まれ故郷の小さな町も被災し、 今では、つぶれた家々も取り壊され、土地もならされ、 空き地だらけの歯抜け状態の町になりました。 知らない人が見たら、この状態が普通と見えるでしょう。 でも震災以前の町を知っている者にとっては、 大きく大きく変わったこと、 これが現実なのだと実感します。 ただ、東日本大震災から7年たち、 もうそんなにたったのか…と時のたつ早さを感じます。 それとともに、あのときの恐怖と驚き、 これからどう生きればいいんだ、自分に何ができるんだ、 何をすればいいのか、という自分への問いが 薄れてきているのを感じます。 この問いを忘れず、できることをしていくこと、 改めて決意したところです。 |
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