■2017年06月02日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
『戦場にかける橋』1954年 ピエール・ブール (代表作/猿の惑星、戦場にかける橋など) 《出版社からの返答》 じつにお粗末! 『大地』1931年 パール・バック (大地はピュリツァー賞受賞) 《出版社からの返答》 まことに残念ですが、アメリカの読者は、 中国のことなど一切興味がありません。 『チャタレイ夫人の恋人』1928年 D・H・ロレンス (代表作/息子と恋人、チャタレイ夫人の恋人など) 《出版社からの返答》 ご自分のためにも、これを発表するのはおやめなさい。
まゆの感想
この本は、さまざまな出版社から出された、
「文豪たちへの断りの手紙」を集めた本です。 例えば、上記の文豪の他、 のちのちノーベル文学賞を受賞したサミュエル・ベケットは、 作品を持ち込んで、 「こんな代物は、船竿の先で触れるのもごめんだ」と非難され、 「アメリカの悲劇」で道徳問題に切り込んだセオドア・ドライサーは、 「不道徳、かつ拙劣」とけなされ、 インディアンの警官が活躍する推理小説で人気を博した トニイ・ヒラーマンは、 「そのインディアンに関したところを全面的に削りなさい」 とまでいわれたそうです。 また、名探偵ポアロなどで有名なアガサクリスティは、 「たいへん興味深く、いくつかよい点もございますが、 いまひとつ弊社の傾向にそっているとは申せません」 と断られ、シャーロック・ホームズで有名な、 アーサー・コナンドイルも、 「連載するには短かすぎ、読み切りとしては長すぎる」 と、体よく断られたそうです。 この本には載っていませんが、ハリー・ポッターで有名な J・K・ローリングも、出版を何度か断られたことがあるそうです。 最初からOK!などという返事はほとんどないそうです。 もちろん断る出版社側の言い分もあるわけですが、 それをくつがえすだけの、 何度断られてもくじけず売り込みを続ける強靱な精神力が なにより必要だということです。 |
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