■2016年05月26日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
S駅の駅長さんには、入学式の日に、 「この子は障がいをもっているので、 何か困ったことがありましたらよろしくお願いします」 と頼んで、家の連絡先を書いたメモを渡しました。 類くんも 「ぼくは障がい者です。よく失敗をします。すみません」 と、頭を下げて駅長さんにお願いしていました。 ある日の夕方、駅長さんから電話がかかってきました。 何があったのかと、お母さんは身構えましたが、駅長さんからは、 「類くん、今、電車に乗りました。いつもの電車に乗り遅れたよう なのですが、ここは電車の本数が少ないので、帰りがいつもより 1時間遅れると思います。そちらの駅には○時○分に着く予定です」 との連絡でした。 類くんのことを見守ってくださっていることに、お母さんが お礼をいうと、駅長さんから、思ってもいないことを聞かされました。 「類くんは、毎朝大きな声で「おはようございます」といって くれるのです。そして 「今日もぼくはがんばります。みなさんもお仕事大変でしょうけど がんばってくださいね」といってくれるのです。 類くんは、とても気持ちがいい男の子です。 わたしは、類くんのファンなんですよ」 お母さんは、うれしくてなりませんでした。
まゆの感想
その他、この駅長さんから、
「類くん、かさを持っていなかったようなので、ぬれていました。 電車は○時○分に着くので、タオルをもってむかえに行って あげてください」 と電話がかかってきたり、女性の駅員さんから、 「類くん、定期がないと困っていました。 なくしたのかもしれません。今日のところは、 まっすぐ家に帰るようにいって、電車に乗せました。 家で詳しく聞いてあげてください」 と連絡が入ったこともあるそうです。 こうして、類くんは、地域の方々にも恵まれて、 高校生活を送ったそうです。 もちろん、高校生活もいろいろとあったそうですが、 類くんは、地道な努力をして乗り越えていったそうです。 この本を読み、類くんとおかあさんのことを知ると、 どこからこんな力がわいてくるのだろうと思うのです。 そう疑問に思っていたら、おかあさんがインタビューで、 こんなようなことを言っていました。 「がんばっている我が子を、 心から褒めることができて、それが本当に嬉しい」と。 このお母さんの心から嬉しい気持ちが、類くんに伝わり、 類くんもがんばれるのだろうなと思いました。 私も、家族のどこかすごいところを見つけて、 心から褒めたいと思いました。 |
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