■2016年02月24日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
噛む回数より、 《しっかり味わう》ことを意識しましょう。 精進料理の食事作法では、 しっかりと目の前の食事に意識を向け、静かに味わっていただきます。 この《よく味わう》という姿勢がとても重要なポイントなのです。 人間はよく味わおうとしたとき、 食べ物が口の中に留まっている時間が長くなります。 すると自然に咀嚼回数は増え、脳内の視床下部にある満腹中枢に 働きかけて食欲を抑えるだけでなく、内臓脂肪の合成を阻害したり、 基礎代謝を高めたりする機能を発揮するようになるのです。 つまり、今まで散々メディアで言われてきた 「20~30回ぐらい、よく噛んで食べましょう」や 「租借回数を増やしましょう」というスローガンよりも、 「しっかり味わって食べましょう」と言うだけの方が、 抵抗なく実感できていくのです。
まゆの感想
よく噛むことを心がけていたのですが、この本を読んで、
意識を「しっかり味わって食べる」にすれば、 気持ちも楽だし、食事も楽しめると思いました。 吉村さんは、よく味わうことについてこう言っています。 「不思議に思って、日常生活での食事と精進料理の作法の違いを 比較検討してみると、そこには、咀嚼(そしゃく)に意識を 向けている時間が長いか短いのか違いがあったのです。 我々の普段の食事では、よっぽど厳格な家庭でもない限り、 テレビを見ながらだったり、会話を楽しみながらだったりの 《ながら食事》をしているものです。 ながら食事をするということは、意識がそちらに向かうため、 相対的に咀嚼がおろそかになってしまいます。 これは医学や栄養学の研究でも言及されるところですが、 我々の感覚からいっても容易に理解できるところでしょう」 しっかり味わうと、食材のおいしさがわかるそうですし、 身体にもいいということでした。 この本では、曹洞宗永平寺での修行生活が書かれている (食事の話が中心)のですが、この本の中では、 食事だけではなく、掃除や仕事、また人と対するときも、 「目の前のことに集中すること」「ていねいにやる」 「それをしっかりと味わってやること」 が大切だと書かれています。 常日頃の自分の雑な生活を見直させてくれる本でした。 |
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