■2015年05月15日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
死ということを考えるとき、
生きている意味を考えるとき、 「いまいるこの世界だけがすべてではないんだ」 と考えてみてはどうでしょう。 そうすることで安らかな心を得ることができる、 これは紛れもない事実だと思います。 「死によって、すべてが終わりだ」 という発想ではなくて、漠然としていてもいいから “向こう”をイメージする。 それが浄土なのか、天国なのか、 それはどうでもいいではありませんか。 それぞれの心の中にある“向こう”で、 心に棲む懐かしい人、会う人のことを考える。 それが、死と向き合いながらも、 絶望のない生き方なのではないかと思います。
まゆの感想
この本の中に、青木さんという方の話が載っています。
がんの再発を繰り返しつつ、静かに逝かれた方の話です。 「亡くなる1ヶ月くらいに、故郷から弟さんやお姉さんが 見舞いに来たとき、青木さんは言いました。 「こうやっていろいろ会っておきたい人にも会えたし、 孫を抱くこともできたし、もう思い残すことは何もない。 ただ、親父は75で死んだから顔がすぐにわかるだろうけれど、 おふくろの顔がわからない。 向こうから探してもらわないといけない。 おれのことがわかるだろうか」 お母さんは、青木さんが2歳になる前に結核で 亡くなったのだそうです。 “向こう”に行って、肉親と会うということを、 青木さんも自然に考えるようになっていました。 だから死はきっと怖くなかった、不安でなかっただろうと、 私は思っています」 この話が、静かに心にしみこんできました。 私も、死に際は、このようでありたいと思います。 この本には、さらに、 「どう死ぬか」は「どう生きるか」の一部だ、 と、書かれていて、生き方も考えさせられました。 私の死生観、人間を見る目を変えてくれた本でした。 |
|