■2012年01月13日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
職を失った人に対して、
「心配することないわ。あなただったら、 すぐに次の仕事だって見つかるはずよ」 といったところで、ありがたみなど感じられません。 あるいは 「これは、あなたにとってよかったかもしれないわ。 捨てる神あれば拾う神あり、というじゃない」 なんて言ったら、不謹慎きわまりないことです。 誰も当事者の恐怖心やその失態に対する痛みなど、 わかるはずはないのですから。 「わたしは靴がなくて泣いていたけれど、 そこに足のない人がきて、泣くのをやめたわ」という、 下を見ればキリがないという比喩話を聞いた方もいるでしょう。 これも何の慰めにもならないのです。 そんな慰めは滑稽なだけです。 人が陥っている不幸な気持ちやその状況のために、 あなたやわたしができることといったら、「愚痴」を 聞いて、気持ちを正当化してあげることだけ。 他にできることは、何もないのです。
まゆの感想
誰かが落ち込んでいるとき、慰めてあげよう、
元気づけてあげようと、こちらは善意で思う。 そして、いろんな話をしたり、ことばをかけたりする。 その好意や行為は尊いことだけれど、 相手にとって、それがありがたいことか、 役に立ったのかは、本当にはわからない。 ややもすると、余計なお世話になったり、 「そんなことだからダメなんだよ、もっとこうしないと…」 などと、やり方を押しつけてしまって、 かえって、落ち込ませてしまうこともある。 自分が落ち込んでいるときに、どうしてほしいか、 どんなことばをかけてもらいたいか、逆に、 どんなことばは言ってほしくないか、 振り返ってみるとわかると思う。 ただ耳を傾けて、辛い気持ちを聞いてもらえたら、 受け止めてくれたら、それで十分かもしれない… まずは、相手の気持ちに耳を傾けること… そんなことを、忘れないようにしたい。 そして、その後で、何か自分にできることはないか、 聞いていきたい。 |
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