■2011年03月23日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
野や山の花々は、精いっぱいに美しく咲いては、
またたく間に散っていきます。花のその姿を見て、 「どうせすぐに散ってしまうんだから、 そんなにがんばって咲くことはないだろうに」 と言った人を、私は聞いたことがありません。 誰もが一瞬の命の輝きについて、その素晴らしさを 理屈ではなく、当たり前のように理解できるからでしょう。 花にかぎらず人間にも、自然にそういう力が備わっているのに、 いざ自分のことになると、 「なんでわざわざ、目標なんてつくって苦しんだり、悩んだり、 汗をかいたりしるんだ」「楽に生きればいいじゃないか」 と思ったりするのが、また、人間というものなのです。 確かに、美味しいものを食べ、部屋に高級家具をそろえて、 大画面のテレビを見て、温泉に旅行に行ければ、 人生をよしとする考え方もあるでしょう。 ところがそんなことを全部実行できたとしても、決して、 「ああ、すべて満足だ」 という気持ちにならないから、不思議なものです。 何かを達成したい、というのは命の使命。 人には何かを成し遂げたい、命を充実させたいと 願うものなのです。
まゆの感想
この大きな震災で、何もなかったつい2週間前の平和が、
どんなに貴重なものだったか、どんなに幸せなものだったか、 ありがたいものだったか、しみじみと感じる。 なんて、幸せだったのだろう… なんて、満ちていたのだろう… その後の、心の重さ、悲しみ、恐怖、不安など、 それらから立ち直っていくのは、 まだまだ時間はかかりそうだと思う。 しかし…人の命の奥には、こんなときでも、 何かを成し遂げたい、命を充実させたいという願いがあり、 それは命の使命でもあり、こんなときだからこそ、 その力が出せ、その力がなければ、 この状況から這い上がれないというのです。 今は、自分も含め、多くの方々が、 悲しみ、不安、絶望とたたかっていると思うけれど、 人間にもたらされているはずの命の使命。 今は、そんな使命を心から信じたい。 命の使命の力、信じたい。 |
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